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title: "調香師の体臭の言葉から、遺伝的な共通点は見える？"
description: "男性45人の体臭を5人が言葉で記述。最も詳しく表現した一人の調香師に見られたHLAとの関連と、その言葉が持つ可能性・個人差を読み解きます。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/hla-perfumers-body-odor-descriptions/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["言葉・色・人の印象"]
type: post
lang: ja
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# 調香師の体臭の言葉から、遺伝的な共通点は見える？

体臭を「スパイシー」「湿った泥のよう」と言葉にしたとき、その表現に遺伝的な共通点が表れることはあるのでしょうか。男性45人のシャツを調べた研究では、最も詳しくにおいを記述した一人の調香師について、言葉の共通性と免疫に関わるHLAの共通性に統計的な関連が見つかりました。

ただし、同じ関連は評価者5人全員に見られたものではありません。2007年のこの研究は、体臭の違いを言葉にすることで、生物学的な手掛かりを取り出せるかを探った小規模な試みです。

## 免疫に関わる型と、においを表す言葉を結ぶ

研究の対象は、主要組織適合遺伝子複合体、略してMHCです。免疫が自分と外から来たものを見分ける働きなどに関係する遺伝子の集まりで、人ではHLAと呼ばれる型が調べられます。

この論文が問うたのは、HLAが似た人どうしの体臭には、言葉で表せる共通性があるか、ということでした。好き嫌いの評点だけに頼らず、においの質を自由な言葉で描写し、HLAとの対応を探そうとしています。

研究者は、平均年齢24.6歳の男性学生45人について、HLA-A、HLA-B、HLA-DRの型を調べました。参加者は二日間、無香料の石けんや洗剤を使い、飲酒、喫煙、においの強い食品などを避けながら、夜に未加工の綿Tシャツを着用しました。シャツは回収後、冷凍して保存しています。

## 調香師二人と一般の評価者三人が、自由に記述

シャツを容器に入れて解凍し、二人の職業的な調香師と三人の一般の評価者が、各自でにおいを記述しました。評価者は着用者のHLAを知らず、ほかの人と相談せずに、自分の語彙を使っています。

その後、HLAを知らない別の人が、評価者本人の協力を得ながら、似た表現をグループに整理しました。たとえば、ある評価者の言葉は、乳製品様、脂っぽい、ほこりっぽい、湿った毛皮、甘い、といったまとまりに分けられました。全員に同じ単語リストを選ばせた方法ではないため、語彙の数や分類は評価者ごとに異なります。

解析では、45人からできる990通りの二人組について、少なくとも一つ同じ記述語があるか、HLAの共有数が全体平均より多いかを対応させました。同じ人が複数の組に現れるため、990人分の独立したデータとは扱わず、対応関係を無作為に入れ替える検定で偶然の範囲を調べています。評価者5人を試したことによる多重比較の補正も行いました。

## 関連が見えたのは、最も詳しく記述した一人

一人の調香師、評価者Aは、一枚のシャツにつき平均三つを超える記述語を使い、5人の中で最も詳しくにおいを表現していました。この人の記述では、言葉が共通する組とHLAがより共通する組の間に関連があり、多重比較を補正しても有意でした。

もう一人の調香師と一般の評価者三人では、全体として有意な関連が見つかりませんでした。評価者たちは、体臭の違いを言葉で表すこと自体に大きな難しさを感じたと報告しています。

結果は、詳細な言葉に生物学的な情報が含まれる可能性を示す一方、「調香師なら誰でも同じ情報を読み取れる」と一般化できるほど一様ではありませんでした。知覚の違いと、感じたものをどう言葉にするかの違いが、ともに関わる余地があります。

## 「スパイシー」「湿った泥」は、次に調べるための手掛かり

研究者は評価者Aの記述をさらに調べ、「スパイシー」と「泥・湿った感じ」のグループで、着用者間のHLAの共通性が比較的高いことを見いだしました。スパイシーと表現された13人にはHLA-A1がなく、HLA-A2は偶然から予想されるより多く見られました。湿った泥の表現についても、HLA-B14との対応が候補として挙げられています。

これらは全体の関連を見つけた後に詳しく探った結果です。多くのHLA型との対応は弱く、同じ表現にまとめられたにおいも一様ではありませんでした。たとえばスパイシーのグループには、乳様、ほこり様、脂っぽいといった別の表現が重なるシャツも含まれています。

したがって、この二つの言葉は、遺伝型を判定する完成した辞書というより、次の試験や化学分析で検証するための候補です。特定のにおい分子を測ってHLAとのつながりを突き止めた段階ではありません。

## まとめ

男性45人の体臭を言葉で記述した研究では、評価者5人のうち、最も詳しく記述した一人の調香師で、言葉の共通性とHLAの共通性が結び付きました。「スパイシー」「湿った泥のよう」といった表現は、より詳しく調べるための手掛かりになりました。

体臭を言葉にすることには、生物学的な差を探る可能性があります。同時に、誰がどう表現するかによって得られる情報が変わることも、この研究の大切な結論です。

研究はRoche Foundationとスイス国立科学財団の支援を受けています。論文では、共著者Sina EscherとMatthijs Van de Waalが研究当時のFirmenich所属と記載されています。

**参考文献**

Wedekind C, Escher S, Van de Waal M, Frei E. The Major Histocompatibility Complex and Perfumers’ Descriptions of Human Body Odors. *Evolutionary Psychology*. 2007;5(2). [doi:10.1177/147470490700500206](https://doi.org/10.1177/147470490700500206)
