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title: "hibi（ヒビ）｜マッチとお香、兵庫の二つの産地から生まれた10分間の香り"
description: "播磨のマッチと淡路島のお香。神戸マッチの嵯峨山真史、大発の下村暢作、デザイナー堀å† 康広が約3年半をかけて生んだhibi。その成り立ちと、一本に込めた製造・デザインの工夫をたどる。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/hibi/
date: 2026-10-27
modified: 2026-10-27
author: "Root"
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categories: ["ブランド・創業者"]
type: post
lang: ja
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# hibi（ヒビ）｜マッチとお香、兵庫の二つの産地から生まれた10分間の香り

> マッチを擦るという行為を残していきたいですね。
> 嵯峨山真史（神戸マッチ株式会社 代表取締役）

マッチ箱から一本のスティックを取り出し、側面で擦って火をつける。お香に火が移って炎が収まったら、専用マットを入れたトレイに寝かせる。細い軸がお香として燃え、約10分間、香りが広がっていく。

「hibi（ヒビ／hibi 10MINUTES AROMA）」は、マッチとお香を一つにした兵庫県生まれのブランドである。

その背景には、播磨地方でマッチを製造してきた神戸マッチと、淡路島で線香づくりを続ける大発という、二つの地場産業がある。

ライターの普及などによってマッチの需要が減少するなか、神戸マッチの三代目、嵯峨山真史が考えたのは、昔のマッチをそのまま残すことではなかった。火をつける技術を、現代の暮らしに必要とされる別の製品へ生かすことである。

その発想は、淡路島の線香職人たちとの出会いによって具体化した。しかし、擦っても折れず、火をつければお香として燃え続ける一本を完成させるには、三年以上の試行錯誤が必要だった。

hibiの小さな箱には、二つの産地が培ってきた技術と、それを次の時代へつなごうとした人々の仕事が収められている。

## 基本情報

- ブランド名： hibi（ヒビ／hibi 10MINUTES AROMA）
- 発売： 2015年4月
- 企画・製造： 神戸マッチ株式会社（兵庫県播磨地方）、株式会社大発（兵庫県淡路島）
- 開発の中心人物： 嵯峨山真史（神戸マッチ）、下村暢作（大発）
- デザイン： 堀内康広（TRUNK DESIGN）
- 公式サイト： [hibi](https://hibi-jp.com/)

## 創設者とブランドの成り立ち

### 日本コダックから家業のマッチ会社へ

神戸マッチの歴史は、1929年に嵯峨山作一が兵庫県で始めたマッチ製造業にさかのぼる。

播磨地方は、明治期からマッチ産業が発展した地域である。乾燥に適した気候に加え、輸出港である神戸に近いことも、製造業の集積を支えた。

作一の孫にあたる嵯峨山真史は、1968年に兵庫県で生まれた。大学卒業後の1991年、日本コダックに入社し、約8年間勤務したのち、1999年に家業へ戻った。

しかし、当時すでに国内のマッチ産業は縮小を続けていた。かつて家庭の台所や飲食店、広告媒体として広く使われていたマッチは、使い捨てライターなどに日常の役割を奪われていたのである。

父である二代目社長も、従来のマッチだけでは将来の経営を支えられないと厳しく見ていた。

嵯峨山は入社後、マッチの印刷技術を活用したバスラッピング事業などにも取り組み、会社の仕事を広げようとした。2010年には三代目の代表取締役に就任する。

それでも、長年の設備と生産体制を抱える会社にとって、マッチの需要減少は深刻な問題であった。

### レトロなマッチから、着火技術を生かす製品へ

新しい販路を探す過程で、嵯峨山はデザイナーの堀内康広とともに、昔のマッチラベルを活用する「マッチデザインファクトリー」に取り組んだ。

色鮮やかなラベルを雑貨や衣類に展開し、生活必需品だったマッチを、デザインを楽しむものとして見直す試みである。

この活動によって、見せ方を変えれば古い製品にも異なる価値を生み出せることが分かった。しかし、懐かしい図柄に関心を持ってもらうことと、マッチを再び日常的に使ってもらうことは別の問題だった。

そこで嵯峨山は、残すべきものをマッチという製品そのものから、その中心にある着火技術へと考え直した。

> マッチの技術を使って何か新しい商品を作ろうという風に視点を変えました。
> 嵯峨山真史

火をつけて使うものとして着目したのが、お香である。兵庫県には、マッチの播磨地方だけでなく、全国有数の線香産地である淡路島もあった。

それぞれ異なる歴史を歩んできた二つの地場産業が、一本の製品をつくる可能性が見えてきた。

### 2011年、淡路島の大発との共同開発

2011年7月、嵯峨山は淡路島の線香メーカー、大発を率いる下村暢作と出会った。

構想は、軸そのものがお香になっているマッチである。別の着火具を用意することなく、一本を擦るだけで香りを楽しめる。

しかし、マッチと線香では求められる性質が異なる。一般的な線香は折れやすく、マッチのように箱の側面で擦れば破損する。一方、折れないように軸を硬くすると、今度は火が燃え進みにくくなる。

両社は、軸の太さや強度、着火後の燃焼を調整しながら試作を重ねた。

さらに、使い方を複雑にせず、日常の中に置きたくなる製品にするため、堀内康広がパッケージとブランド全体のデザインに参加した。

2014年7月には初期の試作品を展示会に出展し、改良を継続。2015年2月の東京ギフトショーで完成品を正式発表し、同年4月にhibiの発売を開始した。

構想から製品化まで約3年半。マッチとお香の技術を合わせるだけでなく、その使い方と見せ方まで整える開発だった。

### 2015年の発売から海外展開、直営店へ

発売後、hibiは日本の地場産業から生まれた新しい日用品として海外にも紹介されていった。

2016年1月には、フランス・パリで開催されるインテリアとデザインの国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展し、海外市場へ進出。2019年にはグッドデザイン賞のグッドフォーカス賞を受賞した。

2023年9月には、東京・蔵前と兵庫県太子町の本社敷地内に直営店を同時開設した。蔵前店は香りを体験する拠点として、本社のファクトリーショップは製造の歴史にも触れられる場所として計画された。

かつてマッチを大量に生産し、販売することで成り立っていた会社が、着火技術そのものに新しい役割を与え、国内外へ届けるブランドを育てていったのである。

## ブランドのこだわり

### 紙繊維と炭による、お香の強度と燃焼の両立

hibiの軸は、一般的な線香とは異なる性質を持つ。淡路島の大発が開発したのは、しなやかさを保ちながら、マッチ箱で擦る力にも耐えられるお香である。

> 硬くすると燃えない
> 下村暢作

線香は硬くするだけでは、燃焼に必要な性質が失われてしまう。そこで大発は、お香の基材に紙繊維と炭を練り込む方法を採用した。この組み合わせによって、擦る力に耐える強さとしなやかさを持たせ、最後まで燃え続ける性質を両立させたのである。

一方、神戸マッチが担ったのは、確実に火をつけ、その火をお香の軸へ移す技術だった。職人たちは軸に染み込ませるワックスや先端の頭薬の配合を調整した。香りの印象に合わせて頭薬の色を変えることも、製造上の仕事に含まれている。

箱にもマッチメーカーの経験が生きている。内箱と外箱を正確に組み合わせ、中のお香が容易にこぼれないようにする製函技術である。

### 暮らしに馴染む箱と、専用マットの設計

hibiのパッケージは、昔ながらのマッチラベルを復刻する方向には進まなかった。

堀内康広が手がけたのは、余分な装飾を抑えた、小さく端正な箱である。マッチ箱の構造を生かしながらも、かつての広告マッチを連想させる派手な図柄は使わず、現代の生活空間に馴染む姿へと整えた。

ブランド名のhibiは「日々」に由来する。ロゴには漢字の「日」を二つ合わせた造形が用いられ、毎日の暮らしに香りを取り入れるという考えを、文字の形にも反映させている。

擦って着火したお香は、専用の不燃性マットに置いて楽しむ。製品にはマット付きとマットなしの仕様があり、専用マットをトレイから出さずに使う設計である。

専用マットは、香りを楽しむ時間を小さなスペースで完結させるための道具でもある。お香立てや別の着火具を用意する従来の方法とは異なり、必要な動作と道具をできるだけ少なくすることが考えられている。

### hibi sense.｜海・川・森の情景を表すブレンド

発売当初のhibiでは、レモングラスやラベンダーなど、植物そのものを想起させる香りが中心だった。

2026年9月に登場した「hibi sense.」は、そこから表現を広げたブレンディッドアロマシリーズである。

テーマは「情景」。一つの植物の香りを楽しむだけでなく、複数の香りを組み合わせることで、自然の風景や、そこに結びつく感情、記憶を表そうとしている。

用意されたのは、朝の海を描く「Sea – Morning」、昼の川を描く「River – Noon」、夕暮れの森を描く「Forest – Dusk」の三つである。

hibi sense.は、マッチ型のお香という基本構造を変えずに、香りの創作テーマを植物から情景へと広げた展開といえる。

### SOW｜日本各地の職人とつくる香りの道具

hibiの協働は、播磨と淡路島だけにとどまらない。

日本各地の作り手とともに生活道具を開発する「プロジェクトSOW」では、木工や陶芸など、異なる産地の技術がhibiと結びついている。

その一例が、2024年9月に発売された瀬戸焼のマットトレイである。

愛知県瀬戸市の春暁陶器との共同開発によって生まれたこの香皿は、hibiの専用マットが収まる大きさに設計された。素材には同社が手がける強化磁器を用い、形は花びらを思わせる「輪花」と、縁を持つ「丸」の二種類。色には瀬戸焼を象徴する黄瀬戸と織部が選ばれた。

トレイはお香の燃焼を支える専用マットとは別の道具であり、その下に置く器として、素材や形を楽しめるようにしたものである。

### 一時的な流行ではなく、長く使われるブランドへ

hibiは発売後、海外の展示会や販売店を通じて広がっていった。しかし、嵯峨山が目指しているのは、一時的な売上の拡大だけではない。

> 長く売れることが大事です。
> 嵯峨山真史

大手企業との共同商品でも、hibiのブランド名を併記することを重視してきた。製品を提供するだけでなく、誰が、どのような考えでつくったものなのかを伝え、ブランドを長く育てるためである。

## 参考文献

- [hibi｜About hibi](https://hibi-onlinestore.com/pages/about-hibi)
- [神戸マッチ｜ORIGINAL BRAND](https://kobe-match.co.jp/brand/)
- [博報堂｜擦る、香る。五感マッチ「hibi」](https://www.hakuhodo.co.jp/magazine/33234/)
- [J-WAVE｜マッチとお香のコラボレーション「hibi」](https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/archives/the-hidden-story/2016/05/27-105012.html)
- [Local Link｜嵯峨山真史インタビュー](https://local-link.professional-studio.co.jp/archives/690)
- [ツギノジダイ｜神戸マッチがお香で起こしたイノベーション](https://smbiz.asahi.com/article/15251192)
- [関西テレビ｜兵庫のマッチ工場が存続の危機から脱出](https://www.ktv.jp/news/feature/240709-match/)
- [神戸マッチ｜hibi発売・展示会出展のお知らせ（2015）](https://www.atpress.ne.jp/news/78049)
- [神戸マッチ｜東京蔵前・本社直営店開設（2023）](https://www.atpress.ne.jp/news/366161)
- [ハリマ化成グループ｜伝説のテクノロジー：マッチ型お香スティック](https://harima.co.jp/hq/legendary_technology/145/page4.html)
- [hibi｜hibi sense. レギュラーボックス](https://hibi-onlinestore.com/products/hibi-sense-regular)
- [神戸マッチ｜プロジェクトSOW・瀬戸焼窯元との共同開発（2024）](https://www.atpress.ne.jp/news/405390)
- [hibi｜HOW TO USE](https://hibi-onlinestore.com/pages/how-to-use)
