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title: "木の多い部屋、よい香りと感じても体の反応は同じ？"
description: "ヒバを多く使った部屋は自然で香りも快く感じられました。一方、唾液や血圧の反応は同じ順番に並びません。14人の実大空間実験を読み解きます。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/hiba-wood-room-perception-physiology/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["香りと体・環境"]
type: post
lang: ja
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# 木の多い部屋、よい香りと感じても体の反応は同じ？

ヒバ材をたくさん使った部屋は、より自然で伝統的に感じられ、香りも快く評価されました。ところが、生理的な反応まで、木が多いほど一様に大きく変わったわけではありません。2011年の研究は、室内の木の使い方による「感じ方」と「体の反応」を、実際の大きさの4部屋で比べました。

木の香りがよいと感じることと、血圧や唾液の指標がどう変わるかは、別々に確かめる必要がある。そのことがよく分かる結果です。

## ヒバの床だけ、腰壁まで、壁全体まで

研究に参加したのは、青森県内に住む健康な大学生14人、男女各7人でした。ヒバ材の使い方が異なる次の4部屋を、同じ日に順に体験しました。

- **標準室：**ヒバ材なし。床などには別の木材を使用。
- **部屋1：**主に床にヒバ材を使用。内装面積に対する使用率20.6％。
- **部屋2：**床と腰壁などに使用。使用率42.8％。
- **部屋3：**床と壁などに使用。使用率68.0％。

部屋の大きさ、照明、温湿度などはそろえ、入る順序は参加者ごとに調整しました。各部屋では、初めは活性炭入りマスクと閉眼によって刺激を抑えて安静にし、その後マスクを外し、目を開けてもらいました。木の見た目と香りを同時に提示し、180秒間の脈拍・血圧を測っています。

前後には気分や疲労感を質問し、唾液アミラーゼ活性も測定しました。部屋と部屋の間には約60分の休息を設けています。イメージ評価と唾液アミラーゼは、欠測のあった2人を除く12人の解析です。

## ヒバが多い部屋ほど、香りは強く感じられた

全実験の終了後、各部屋を実験と同じように換気・調整して空気を分析すると、ツヨプセンやセドロールなど、ヒバ由来と推測されるセスキテルペン類が見つかりました。その気中濃度は、ヒバ使用量が多い部屋ほど高くなりました。

標準室でもこれらの成分は検出されています。標準室は「ヒバを内装に使わない部屋」であり、木材も香り成分も完全にない空間ではありません。また成分濃度は各人の体験中に連続測定した値ではなく、後からそろえた条件で調べた値です。

参加者が感じるにおいも、ヒバが多いほど強い傾向でした。部屋3はほかの3部屋より、部屋2は標準室より、有意に強く評価されました。香りの快さは全室で快側にあり、部屋3は標準室より有意に快く感じられました。

## 床と壁にヒバを使うと、自然な印象と疲労感に違い

部屋3は標準室と比べ、「自然な」「伝統的な」というイメージが有意に高くなりました。気分の質問票POMSでは、部屋3の疲労得点の変化量が標準室より低く、短時間の体験後に疲労感がより下がる結果でした。

ただし、心理面の評価がすべて同じように変わったわけではありません。「落ち着く」という感覚や、部屋の「好き」「良い」という評価、POMSの「活気」には、部屋間の有意差がありませんでした。全体の快不快感には部屋間の検定で差が出ましたが、その後の個別の組み合わせ比較では有意差が確認されていません。

つまり、確かめられたのは主に、ヒバを床と壁に使った部屋の自然・伝統的な印象、香りの快さ、疲労感の変化です。

## 体の指標では、床中心の部屋にも変化があった

唾液アミラーゼは、自律神経活動などと関連する指標の一つです。標準室では体験後に平均7.1％増えた一方、主に床にヒバを使った部屋1では45.6％、床と腰壁の部屋2では41.1％減りました。部屋間の個別比較で有意だったのは、部屋1の変化率が標準室より低いという結果です。

血圧には、さらに時間による違いがありました。収縮期血圧は、ヒバを使った3部屋で刺激直前より一時的に低下し、部屋1では30〜70秒、部屋2では30〜90秒、部屋3では30〜50秒に有意な低下が報告されています。ただし100秒以降には、どの部屋でも有意な変化はありませんでした。

拡張期血圧は標準室を含む全室で、一部の時間帯に低下しました。脈拍には、研究が採用した判定方法で全体として有意な変化は認められませんでした。

ここで血圧の有意差は、それぞれの部屋の「刺激直前と直後」の比較です。ある部屋だけで有意だった時間が長いことから、その部屋がほかより優れていると直接結論することはできません。血圧は10秒ごとに繰り返し比べ、18区間中3区間以上で有意なら全体の変化とみなす独自の判定も使われています。

## 快い印象と生理反応は、同じ順番に並ばない

心理評価では、ヒバを最も多く使った部屋3の自然さや疲労感の変化が目立ちました。一方、唾液アミラーゼの標準室との差は、ヒバの量が少ない部屋1で確認されました。これが、著者たちが重視した「心理評価と生理反応は対応しなかった」という結論です。

著者たちは、見た目と香りの組み合わせや、木を多用したときの視覚的な刺激などを説明の候補に挙げています。ただし、目を開けることと香りを嗅ぐことを同時に行ったため、どちらがどの程度働いたかは分離できません。

また、14人が数分体験した結果です。長く暮らした場合の疲労回復や、健康上の効果、最適な木材使用率を決めた研究としてではなく、空間の印象と短時間の身体反応を複数の指標で調べた実験として読むのが適切です。

## まとめ

ヒバを床と壁に使った部屋は、ヒバを使わない標準室より、香りが快く、自然で伝統的に感じられ、疲労感の得点もより低下しました。一方、唾液アミラーゼの変化率が標準室より有意に低かったのは、主に床にヒバを使った部屋でした。血圧の変化も短時間のもので、木の量に沿って一様には並びませんでした。

心地よい部屋を考えるとき、香りの強さや主観的な印象だけで、体への作用まで決めつけることはできません。木を「見る」と「嗅ぐ」を分けて確かめることが、この結果を理解する次の一歩です。

論文掲載時の所属として、著者1人に杉山木材株式会社が記載されています。独立した研究資金・利益相反の申告欄は確認できませんでした。

**参考文献**

木村彰孝・杉山浩之・佐々木靖・谷田貝光克（2011）「ヒバ材を用いた室内空間での視覚・嗅覚刺激が人の心理・生理面に与える影響」*木材学会誌*、57(3)、150–159。[doi:10.2488/jwrs.57.150](https://doi.org/10.2488/jwrs.57.150)（[原著全文](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jwrs/57/3/57_3_150/_pdf/-char/ja)）
