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title: "握手のあと、人は手のにおいを確かめている？"
description: "同性との握手後、握手した右手を鼻へ近づける時間が増えた研究。皮膚成分の移行、鼻の気流、においの操作を通じて、握手のå— 覚的な役割を探ります。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/handshake-hand-sniffing-social-odor/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["感じ方・記憶・気分"]
type: post
lang: ja
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# 握手のあと、人は手のにおいを確かめている？

握手のあと、何気なく手を顔へ近づける。その動きには、においを確かめる働きがあるのかもしれません。2015年の研究では、同性との握手後に、握手した右手を鼻の近くへ持っていく時間が、握手なしの挨拶より増えることが分かりました。

研究者は行動の撮影だけでなく、握手で皮膚由来の成分が移るか、手が顔にあるとき鼻の気流が増えるか、相手の周囲のにおいを変えると行動が変わるかも調べています。目指したのは、握手が人からにおいの情報を受け取る機会になっている、という仮説の検証でした。

## 短い握手で、皮膚の成分が移る

まず10人の協力者と、ニトリル手袋を着けた実験者が握手しました。1人につき3日間、計3回行い、握手した手袋と、同じように着けただけの手袋の成分を分析しています。

握手の後には、スクアレン、パルミチン酸、ゲラニルアセトンが10人すべてで検出され、握手をしない対照では検出されませんでした。参加者に共通して使われていたハンドソープも調べましたが、この三つは見つからず、著者らは皮膚に由来する可能性が高いと判断しました。

これで分かったのは、挨拶程度の接触でも、皮膚にある成分を相手へ渡せることです。検出した三つが人への信号として実際に働いたか、どの成分を鼻で受け取ったかは、この分析だけでは決まりません。

## 何もしていないときから、人は手を顔へ運ぶ

主な行動実験には175人を集め、携帯電話を使ったなど手順に合わない22人を除く153人を解析しました。参加者は部屋で一人で待ち、約3分後に実験者が入って、決まった言葉で約20秒の挨拶をします。80人には握手をし、73人には握手をせず、その後また一人で待ってもらいました。

男性・女性の参加者と、男性・女性の実験者の組合せを設け、計20人の実験者が担当しました。参加者には観察の狙いを知らせず撮影し、終了後に映像を研究に使うか破棄するかを選べる手続きを取っています。

二人の評価者が、眉より下から顎より上に手を触れさせた時間を、左右別に記録しました。挨拶前の観察区間ですでに153人中85人が顔に手を触れており、鼻の近くや下が多いことも確認されています。握手をしなくても、人はこうした動きをかなり行っていました。

## 同性との握手では、右手の確認が増えた

分析では、挨拶の前後それぞれ約80秒を比べました。1分間に各人の挨拶の時間を加えた区間です。まず一人ずつ「挨拶後から挨拶前を引いた変化」を求め、さらに同じ男女の組合せで握手しなかった群の変化を差し引きました。もともとの顔の触りやすさや、挨拶そのものに伴う変化を考慮するためです。

その結果、同性と握手した場合は、握手に使った右手を鼻の近くへ持っていく時間が増える方向になりました。補足の、握手なし群の変化を差し引かない比較でも、前後の変化は握手ありで平均プラス2.14秒、握手なしでマイナス5.39秒で、群間差は有意でした。

異性との挨拶では、握手していない左手に違いが現れました。左手を顔へ近づける時間の前後変化は、握手ありでプラス2.91秒、握手なしでマイナス7.95秒でした。こちらは握手後の増加だけでなく、握手なし群で時間が減ったことが比較を大きくしています。

つまり、観察されたのは「誰と握手しても、両手を同じように嗅ぐ」という単純な変化ではありません。今回の挨拶場面では、相手と自分の性別の組合せによって、左右の手の動きが違っていました。

## 手が鼻に近いとき、実際に吸う空気も増えた

顔に触れる行動は、緊張などでも起こり得ます。そこで別の33人では、鼻に細い管を着けて気流を測りました。測定中に手を顔へ近づけた17人について、手が鼻の近くにあるときの気流は、基準時より大きくなりました。平均値は約113から238mL／秒で、統計的な差もありました。

この結果は、少なくとも観察された動きの一部には、単に顔を触るだけでなく、空気を吸ってにおいを確かめる動作が伴うことを支えます。装置を付けると顔を触る行動自体は少なくなったため、気流の結果と装置なしの行動結果は、別の実験として組み合わせて読む必要があります。

## 相手の周りのにおいを変えると、動きも変わった

さらに女性同士の握手に絞り、女性実験者の周囲ににおいを加える実験をしました。香水CK-beを使う群と、化学的な信号の候補として研究されていたAND、ESTという二つのステロイド系物質をそれぞれ使う群を、先のにおいを加えない女性同士の群と比較しています。

ANDとESTは、改造した腕時計から空気中へ放出しました。握手する手そのものに塗った条件ではなく、実験者の周りのにおいを変えた操作です。

においの種類によって、左右の手を顔へ運ぶ時間の変化の組合せが異なりました。たとえばESTでは、においを加えない場合より右手の確認が減る方向、左手は増える方向となりました。香水の群は右手が増える方向でしたが、香水と無添加との有意差が示されたわけではありません。

研究者はANDとESTが逆の働きをする可能性も予想していましたが、その予想は支持されず、似た方向の変化でした。香水条件では21人中7人、EST条件では20人中4人がにおいに気づいたと答えています。大多数は気づいたと答えなかったものの、全員が気づかない刺激ではありませんでした。

## 握手を、においの情報収集として考える

著者らは、皮膚の成分が移ること、顔に近づけた手と同時に吸気が増えること、握手やにおいの操作でその行動が変わることを合わせ、握手が社会的なにおいの情報を得る手段になり得ると結論しました。右手で相手を、左手で自分を確かめて比較しているのではないか、という考察もありますが、これは検証を待つ説明です。

また、同性・異性での左右の違いは、今回の実験場面に特有かもしれないと著者自身が述べています。親しさ、文化、会う目的などは調べられていません。握手の歴史的な起源や、相手への好み・信頼が変わるところまで測った研究でもありません。

## まとめ

この研究では、握手で皮膚由来と考えられる成分が移り、同性との握手後には、握手なしの挨拶より右手を鼻の近くへ持っていく時間が増えました。別の気流測定では、その動きに吸気の増加が伴い、においを加えた実験でも左右の手の動き方が変わりました。

日常の小さな動作が、人や自分のにおいを確かめる機会になっている。その可能性を、成分分析と行動、呼吸の三つから示した研究です。

研究はJames S. McDonnell Foundation、Israeli Centers for Research Excellence、米国空軍科学研究局の支援を受けています。著者らは利益相反なしと申告しています。

**参考文献**

Frumin, I., et al.（2015）A social chemosignaling function for human handshaking. *eLife*, 4, e05154. [原著論文](https://doi.org/10.7554/eLife.05154)／[公開全文](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4345842/)
