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title: "香りで、写真の好ましさは変わる？"
description: "香りのある場所では、同じ写真も違って見えるのでしょうか。顔・景色・物の画像を比べた研究は、香りの種類だけでなく、何を見ているか、その香りにどんな感æƒ を結びつけるかが関わる可能性を示しました。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/fragrance-visual-pleasantness-emotional-associations/
date: 2026-10-12
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["言葉・色・人の印象"]
type: post
lang: ja
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# 香りで、写真の好ましさは変わる？

香りを嗅ぎながら写真を見ると、その写真を好ましく感じる度合いは変わるのでしょうか。顔の写真で起きることが、景色や物の写真でも同じように起きるとは限りません。

Lucrezia Pacinottiらが2026年に発表した研究は、バニラ、ローズ、ラベンダー、レモンの香りと、香りを加えない清浄空気を比較しました。調べたのは、画像の種類による違いと、一人ひとりが香りに結びつける感情との関係です。

## 同じ人が、五つの条件で42枚を見る

英国で18〜35歳の40人が参加し、回答の傾向が外れ値と判断された一人を除く39人を解析しました。全員が、事前の匂いの識別テストで、研究の参加基準を満たしていました。

画像は、顔、景色、物の三種類が14枚ずつ、合計42枚です。それぞれに、中立的な画像と、好ましい画像を含めました。顔以外の画像では、花や食べ物のように匂いを強く連想させる内容や、人が写ったものを避けています。

同じ参加者が、四つの香りと清浄空気の五条件で、すべての画像を評価しました。鼻の近くに置いた管から4秒間香りを送り、その途中で画像を2秒間提示します。香りが清浄空気へ切り替わった直後に、画像の快さを0〜10で答えてもらいました。

香料の濃度は、予備の評価を基に、感じる強さが近くなるように調整しています。それでも本実験では、四つすべてが同じように好まれたわけではありません。ラベンダー、ローズ、バニラは清浄空気より快いと評価されましたが、レモンでは、その差が明確ではありませんでした。

## 顔と物、景色で、結果の出方が違う

まず、香りと画像の種類を使った解析では、香りによる画像の快さの違いが見られ、その現れ方は画像の種類によって異なりました。ただし、香りに関連する効果の大きさは小さいものでした。

違いのある組み合わせを探る追加の比較では、顔はラベンダーの条件で、清浄空気よりも快いと評価されました。物の画像では、ラベンダー、ローズ、バニラの条件で評価が高くなりました。

景色では、この最初の解析で、清浄空気を上回る香りは確認されませんでした。むしろ、レモンの条件で評価が低くなっていました。他の香りがレモンを上回ることと、香りを加えない状態より景色が好ましく見えることは、同じ結果ではありません。

これらの個別比較は、結果の特徴を探る探索的な分析です。「顔にはラベンダー」「物にはバニラ」と、用途ごとの決まった効果を確定したわけではありません。実在する相手の魅力や信頼性、行動の選択も測っていません。

## その香りに、どんな感情を結びつけるか

研究者らは、香りの快さだけでなく、幸福感、懐かしさ、嫌悪感、喉の渇き、くつろぎ、官能性、活力という七つの側面も質問しました。用いたのは、英国の人々の香りと感情の関係を評価するための質問票です。

参加者は香りを再び嗅ぎながら、その香りを過去に嗅いだときの感情を表す言葉として、それぞれがどれほど当てはまるかを答えました。嗅ぐ前と後で現在の気分が改善したかを測る質問とは異なります。

この七つの回答を解析に加えると、香りに関連する画像評価の違いは小さくなりました。幸福感や懐かしさ、喉の渇きの回答は、画像の快さと正の関連を示し、嫌悪感は負の関連を示しました。一方、くつろぎ、官能性、活力については、画像評価との明確な関連は確認されませんでした。

著者らは、香りの条件による違いと、その香りに結びつく感情の個人差が、重なっていると考えています。ただし、幸福感や懐かしさが原因となって画像の評価を変えた、という経路まで確かめたわけではありません。

## 感情の回答を考慮すると、個別の比較も変わる

感情に関する回答を加えた解析でも、香りの影響の現れ方が画像の種類によって異なる、という全体の結果は残りました。一方で、個々の組み合わせの結果は変わります。例えば景色では、この解析ではラベンダーの条件が清浄空気を上回り、物の画像では、香りの条件同士の明確な差が確認されなくなりました。

最初の解析と、感情の個人差を考慮した解析は、同じ問いに同じ条件で答えるものではありません。この違いは、香りの名前だけで一律の効果を説明する難しさを示しています。著者らが重視したのも、どの香りが勝つかという順位より、画像の種類と個人の感情的な結びつきを一緒に考えることでした。

さらに、レモンを除いて解析すると、香りの間の違いは全体として小さくなったと報告されています。一部の違いは残りましたが、今回の集団でレモンがどう受け取られたかが、結果の一部を左右していたことになります。

## 見ているものにも、変わりやすさがある

著者らは、顔には社会的な意味があり、物の評価は周囲の手がかりに左右されやすいなど、画像の種類によって評価の仕方が違う可能性を挙げています。ただし、脳活動は測っておらず、その仕組みは今後の検証が必要です。

また、今回の画像は、特に好ましい景色などで、清浄空気の条件でも評価が高めでした。最初から高い評価が付く画像では、香りによってさらに上がる余地が小さかった可能性があります。39人という規模も踏まえると、差が明確でなかった組み合わせに、非常に小さな影響までないと結論づけることはできません。

## まとめ

この研究では、香りを伴う画像の快さは、顔、景色、物で同じようには変わりませんでした。香りに結びつく感情の回答を考慮すると結果の一部が変わったことからも、「良い香り」という一つの分類だけでは、視覚との組み合わせを十分に説明できません。

著者らの結論は、香りの種類、見る対象、その人の感情的な経験を合わせて調べる必要があるというものです。より幅広い画像や香りを使い、感情との関係や脳の働きを確かめていくことが、香りと視覚が一緒に印象を作る仕組みの理解につながります。

## 参考文献

Pacinotti, L., Roberts, C., Giesbrecht, T., & Fallon, N.（2026）. Cross-modal impacts of olfactory perception and individual differences in emotional responses to odors modulate hedonic evaluations of visual scenes. *Chemical Senses*, 51, bjag027. [DOI: 10.1093/chemse/bjag027](https://doi.org/10.1093/chemse/bjag027)／[原著全文](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13547858/)。

研究はUKRI BBSRCのiCASE制度と、産業パートナーのUnileverの支援を受けています。著者の一人はUnilever社員として関わり、他の二人も同社から研究資金を受けたことを申告しています。この実験では同社製品は使われていません。原著：© 2026 The Author(s)、[CC BY 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)。
