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title: "同じ部屋の写真でも、香りで印象が変わる？"
description: "ナチュラルとゴージャスなå± 間の写真に、三つの花の香りを組み合わせた研究。印象評価と4人の予備的な生理測定を、範囲を分けて読み解きます。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/floral-fragrance-living-room-impression/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["言葉・色・人の印象"]
type: post
lang: ja
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# 同じ部屋の写真でも、香りで印象が変わる？

家具も照明も同じなのに、香りが加わると、部屋の印象は変わるのでしょうか。2016年の研究は、居間の写真を見ながらフローラル系の香りを嗅ぐと、その空間への評価がどう変わるかを調べました。

香りがある条件では、同じ写真でも、華やかさや優しさなどの評点が高くなりました。ただし、変わる印象は部屋と香りの組み合わせによって異なり、すべての香りで快適さやリラックス感が増したわけではありませんでした。

## 布用の香りは、居間の見え方にも関わるか

藤井らが取り上げたのは、衣服だけでなく、カーテンやソファーなどにも使われる布製品用芳香剤です。研究の目的は、その香りが視覚的な居間の印象に及ぼす影響を、言葉による評価と、身体の反応の両面から検討することでした。

主な実験では、実際の部屋の内装を変える代わりに、居間の写真を提示しました。写真に写る空間で、今嗅いでいる香りがしたらどう感じるかを答えてもらう方法です。

## 印象の異なる二つの居間と、三つの花の香り

まず20人が11枚の居間の写真を52種類の形容語で評価し、研究チームは印象の近い言葉や写真を整理しました。そこから、日常の住まいに近いナチュラルな印象の写真と、それとは対照的なゴージャスな印象の写真を一枚ずつ選びました。

本試験には20～30代の25人が参加しました。三つの香りは、フルーティフローラル、ホワイトフローラル、スイートフローラルです。香りの好みを7段階で尋ねると、全員が三つとも中立以上に評価していました。つまり、今回の参加者に強く嫌われている香りを含めた比較ではありません。

香りはディフューザーで評価室へ広げ、無香の条件では装置を空運転しました。香りの強さは、楽に感知できる程度に調整しています。参加者は写真から1mの位置に座り、52の形容語がどのくらい当てはまるかを7段階で回答しました。

同じ写真を見ること自体による変化を考慮して、最初に練習的な無香評価を設けました。写真と香りの提示順にも配慮し、各評価の間を3時間以上空けています。

## 同じ写真でも、香りで高くなる印象がある

ゴージャスな居間では、三つの香りに共通して、明るさ、優しさ、華やかさ、上品さ、清潔感、さわやかさなどの評点が、無香より高くなりました。リラックスできるという印象にも上昇が見られています。

ナチュラルな居間では、三つとも、優しさやふんわりした感じ、華やかさや高級感などを高めました。もともとの写真が持つ印象に、香りから感じる特徴が重なったと考えられる結果です。

ただし、ナチュラルな写真とフルーティフローラルの組み合わせでは、「リラックスできる」「快適な」の上昇は有意ではありませんでした。同じ写真でも、スイートフローラルではこれらの項目が高くなっています。香りがあるだけで、どの部屋も一様に快適になるという結果ではなく、項目ごとの違いがありました。

## 三つの香りの違いは、限定された項目で比較

研究チームは、三つの香りで共通して無香より高くなった形容語を選び、その項目について香り同士も比較しました。この範囲では、三つの香りの評点に有意差はありませんでした。

これは、すべての項目で三つの香りが同じ働きをすることを確かめた結果ではありません。共通して変わった項目を取り出して比べた解析であり、個々の部屋と香りの組み合わせで評価が変わる点と、併せて読む必要があります。

また、52の項目をそれぞれ検定し、有意水準を1%としていましたが、検定の数が多いことに対する補正の記載はありません。個別の形容語の差には、偶然による差が含まれる可能性も考慮する必要があります。

## 身体の反応は、4人で予備的に測定

もう一つの実験では、4人が、ナチュラルな居間の写真を5分間見ました。フルーティフローラルの香りがある条件と無香の条件で、脈波、皮膚の電気的な反応、視線を記録しています。論文自身も、少人数の予備的な検討と位置付けています。

写真を見る前の安静時を基準にした比率で整理すると、4人とも、香りがある側で心拍変動のLF/HFと皮膚反応のGSRが低い値を示しました。一方、心拍の間隔とHF成分は、上がる人と下がる人が2人ずつに分かれ、そろった変化はありませんでした。

視線については、写真の中の同じ場所を1秒以上見つめた時間を合計すると、4人とも香りがある側で長くなる傾向が見られました。著者らは、空間への関心が高まった可能性を考えています。

これらは4人の値の方向を示した結果で、統計的に確立した生理効果ではありません。LF/HFは心拍変動から計算する比で、交感神経の活動を直接測る値ではなく、これだけでリラックスを確定することもできません。

## 写真の印象と、暮らす空間での効果をつなぐには

この研究のよい点は、同じ写真を使い、視覚的な情報を保ったまま香りの有無を変えたことです。香りが家具そのものを変えなくても、部屋を表現する言葉の選び方に関わることが示されました。

一方、参加者が実際にその居間へ入り、長く過ごした実験ではありません。香りは布へ塗布した状態ではなく、評価室の装置から提示されています。対象者は三つの香りを中立以上に評価した若い成人で、香りを苦手とする人や別の年齢層では、違う結果になる可能性があります。

主観評価と生理指標を結びつけるにも、さらに人数を増やし、同じ条件で両者が対応するかを確かめる余地があります。今回の生理実験で使ったナチュラル写真とフルーティフローラルでは、主観側の快適さの上昇が明確ではなかった点も、対応関係を考える際に重要です。

## まとめ

居間の写真にフローラル系の香りを組み合わせると、無香の条件より、優しさや華やかさなどの印象が高くなりました。どの評価が変わるかは写真と香りによって異なり、快適さやリラックス感が一律に増す結果ではありませんでした。

4人の予備的な生理実験では、LF/HFと皮膚反応が低い方向、注視時間が長い方向の変化も見られました。香りと視覚の組み合わせが空間の感じ方に関わることを示し、実際の居間やより大きな集団で確かめるための手がかりを得た研究です。

論文では著者6人中4人が研究当時のライオン株式会社所属と記載されています。確認した主本文に、独立した研究資金・利益相反の声明は見当たりません。

**参考文献**

藤井日和ほか. 布製品用芳香剤が居住空間の印象に与える効果. *繊維製品消費科学*. 2016;57(3):205–214. [doi:10.11419/senshoshi.57.3_205](https://doi.org/10.11419/senshoshi.57.3_205).
