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title: "Draeger（ドレーゲル）— 香水の箱・広告・カタログをつくった印刷の仕事"
description: "1886年創業のドレーゲル。香水の箱やラベル、ランコムのカタログ、レオナールの広告から、図案を紙の質感へ移す仕事と制作の分æ‹ をたどる。"
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date: 2026-10-16
modified: 2026-10-16
author: "Root"
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categories: ["香りの世界を広げる"]
type: post
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# Draeger（ドレーゲル）— 香水の箱・広告・カタログをつくった印刷の仕事

香水に出会うとき、私たちは液体だけを見ているわけではない。箱の表面に走る金の線、ラベルの文字、広告に描かれた人物、カタログに並ぶ瓶の姿。それらは香りを嗅ぐ前から、その香水が属する世界を伝えている。フランスの印刷会社ドレーゲル（Draeger）は、この紙の側から香水文化を支えた存在である。

1886年に始まった同社の仕事は、図案を紙に複製することだけでは説明しきれない。箱、ラベル、写真、広告、冊子を通して、香水の造形と名前を手に取れるものへ変えていった。その仕事を、残された見本帳と美術館の作品記録からたどってみたい。

## 基本情報

**名称：**ドレーゲル（Draeger／Draeger Frères）
**創業：**1886年、パリ。創設者はシャルル・ドレーゲル（Charles Draeger）
**主な活動：**印刷、広告、出版。モンルージュを主要な制作拠点とした
**沿革を公開する現在のブランド：**[Draeger Paris](https://www.draegerparis.com/)。現在の文具・贈答品ブランドと歴史的な印刷事業の関係は、後段で区別して扱う。

## 家族の印刷所から、香水を伝える制作拠点へ

### 1886年の創業とモンルージュへの展開

シャルルは父ニコラのそばで印刷を学び、ラユール印刷所で経験を積んだ。妻アメリーも同じ印刷所で働き、息子たちも印刷の仕事に親しんで育った。1886年、シャルルは「Draeger & Lesieur」を創業する。彼の死後はアメリーが事業を引き継ぎ、息子たちの名を掲げる「Draeger Frères」へとつないだ。

事業を拡大するうえで重要になったのが、パリ南郊のモンルージュである。パリ市内で工房を広げる余地が乏しくなるなか、出版社の集まる地区にも近いこの街には印刷業者が移ってきた。ドレーゲルもそこで制作設備を整えていく。香水の仕事は、こうした都市近郊の印刷産業のなかで育まれたのである。

### 広告代理店と印刷工房がつながる仕事

1920年にはアメリカ人広告人ウォレスと組み、Wallace & Draegerを設立した。印刷物を仕上げる工房に、広告を企画する仕事が結びついたのである。

後の世代のクロード・ドレーゲルは17歳で家業に入り、レイアウト、写真、組版、印刷、製本を学んだ。1965年には同広告代理店の社長となり、ランコムやゲランなどを顧客とした。図案を描く人と印刷する人をつなぐには、完成した図像だけでなく、それを紙の上に成立させる工程への理解も必要だった。クロードの職歴には、その仕事の広がりが表れている。

## 香水の箱とラベルを、紙の素材から考える

### 見本帳に残る型押し、インク、製造費

ドレーゲルの仕事の具体像を伝えるのが、1930年代を中心とする二冊の見本帳である。2023年にサザビーズが扱ったこの資料群には、約400点の印刷試作や広告見本が収められていた。来歴は1990年のドレーゲル印刷所の資料売立にさかのぼる。

一冊目の約130点には、1928～1940年の制作日、考案者、製造費とともに、型押し、浮き出し加工、インク、紙の表面の加工などの技術的な注記がある。二冊目にはコティ、ゲラン、ランコム、ウビガン、ロジェ・ガレなどのロゴ、ラベル、包装、パンフレット、広告が並ぶ。

ここで注目したいのは、デザインの見本と製造条件が一緒に残されている点だ。同じ文字や装飾でも、紙の地肌、凹凸、インクによって手触りと見え方は変わる。香水の印象を伝える仕事には、絵柄を決めることと、その絵柄をどの素材・加工で実現するかという判断が含まれていた。

### 「Feuilles d’automne」の箱飾りと二人の制作者

スュレーヌの都市社会史博物館MUSが所蔵する「Feuilles d’automne（秋の葉）」は、[コティ](https://lechercheurdeparfum.com/coty/)の香水「Muse」のための箱の装飾図案である。作品記録は1934年の制作をピエール・カマンとジョルジュ・デルオムに帰している。二人はもともとコティのシテ・デ・パルファンで働き、フランソワ・コティの死後、この装飾をドレーゲルで展開した。

この作例では、香水を発注する側、装飾を考える二人、箱の制作を展開する会社という関係が見える。ドレーゲルという社名だけで図案の作者まで置き換えてしまうと、その協働が失われてしまう。MUSには、色彩を施した蔓草模様をガルーシャ地に配した、Museの別の装飾案も残る。一つの香水に対して複数の外観が検討・制作されたことが、紙の資料から見えてくる。

### 香りをまとった白粉の箱と量産への翻案

香水の世界は、瓶の外にも広がっていた。ヴァルレアスのカルトナージュ・印刷博物館が所蔵するコティの白粉箱には、白と金のパフの模様が橙金色の地に並ぶ。蓋の中の文字は、天然色の白粉が「L’Or de Coty」の香りをつけられていることを伝える。

同館の記録は、このパフ模様の装飾をレオン・バクストに結びつけ、ジョルジュ・ドレーゲルがより安価な紙箱の仕様へ翻案したと説明している。重要なのは、バクストの図案とドレーゲルによる仕様の展開が区別されていることだ。豪華さを感じさせる装飾を、工業的に作れる包装へと移す。ここでは紙と印刷が、装飾と生産をつなぐ役目を担っている。

## 色の再現と、香水を見せるカタログ

### 「301」方式と複数回の印刷

ドレーゲルの技術を語るうえで欠かせないのが、色の再現を特色とした「301」方式である。パリのフォルネー図書館には、1950年頃の同方式の広告印刷物が残る。そこでは二つの毛糸玉と二つの糸巻きが、色の再現性を示す題材に選ばれていた。香水に限らず、素材の色を伝えること自体が印刷会社の売り物になっていたのである。

モンルージュ市の沿革は、同社の一部の高級印刷物に金や銀のインクなどを用い、五回、時には七回の印刷を必要としたことを伝えている。色を重ねる工程も、紙面の表情を作っていた。ただし、これをすべての香水箱や広告に共通する仕様と考えることはできない。作品ごとの技法は、個別の記録から読む必要がある。

### 1945年のランコムを一冊に収める

1945年7月、モンルージュのドレーゲル・フレールで印刷されたランコムのカタログは、香水と包装をまとめて見せる仕事の具体例である。クーパー・ヒューイットの所蔵本は、番号入り豪華版100部のうちの一冊。88ページを透明なプラスチック製の螺旋綴じでまとめ、40点の図版を貼り込み、そのうち四点をカラーで仕上げている。

表紙には金色の地を伴うバラの意匠があり、本文用紙にも花模様の透かしが入る。ページには瓶だけでなく、それぞれの包装も示される。写真でガラスの輪郭を見せ、色刷りの図版で複数の瓶を並べ、文章で香水と容器を説明する。

紙に香りそのものを移すことはできない。しかし瓶と箱を同じ一冊のなかで見せれば、読者は香りを収める品物の姿を具体的に知ることができる。このカタログでは、用紙、図版、綴じ方までが、香水を紹介する媒体の一部になっている。

## 広告の署名から、制作の分担を読む

### レオナール「Fashion」の広告に残る三つの名前

パリ装飾芸術美術館が所蔵する1970～1971年のレオナールの香水「Fashion」の雑誌広告には、制作の役割を読み解く手がかりが残る。発注者はレオナール、広告代理店はアキラ・マレ、イラストレーターはジャン＝フランソワ・アリゴニ・ネリ、印刷者がドレーゲルである。

画面には画家の「ARRIGONI NERI」、代理店の「AKILA – MARAIS」、印刷所の「DRAEGER」という表記がある。技法は紙へのカラーオフセット印刷と記録されている。描く、企画する、刷るという仕事が、一枚の広告のなかに重なっているのである。

「DRAEGER」の署名は、その広告を見える形にした印刷者の存在を示す。それだけを根拠に、人物像や構図まで同社が考案したとは言えない。香水広告を眺めるとき、端にある小さなクレジットへ目を向けると、ブランド名の後ろに隠れていた制作の連鎖が現れる。

## 歴史的な印刷会社と、現在のDraeger Paris

現在のDraeger Parisは、文具、カード、贈答品などを扱うブランドである。その沿革によれば、1956年にドレーゲルが取得したエディシオン・イヴォンは、1971年に印刷会社ドレーゲル・フレールがGaillard Motelグループへ売却された際にも、ドレーゲル家の側に残った。このイヴォンの事業が2018年にDraeger La Carterieとなった。

一方、モンルージュ市の記録では歴史的なドレーゲルの工場は1980年に閉鎖し、印刷所の資料は1990年に競売で分散したとされる。現在のブランドは家族と文具事業の系譜を伝えているが、それを香水の箱を刷った工場がそのまま現在まで操業しているという意味に読み替えることはできない。

ドレーゲルの香水史への貢献は、香りの処方を作ることではなかった。図案を紙の質感へ、瓶の姿をカタログへ、ブランドの名前を広告の色と文字へ移していくこと。その過程にいた画家、写真家、企画者、印刷職人の仕事を知ると、香水の箱や古い広告は、香りの周辺にある飾り以上のものとして見えてくる。

## 参考文献

1. [Draeger Paris：Draeger, une histoire de famille et d’entrepreneurs](https://fr.checkout.draegerparis.com/en-en/blogs/journal/draeger-une-histoire-de-famille-et-dentrepreneurs)
2. [モンルージュ市：Il était une fois… L’imprimerie Draeger](https://www.ville-montrouge.fr/2487-il-etait-une-fois...-l-imprimerie-draeger.htm)
3. [Centre Pompidou：Éditeur invité : Claude Draeger（1998年の対談の書誌・人物紹介）](https://www.centrepompidou.fr/en/ressources/media/Wb0mLtz)
4. [Sotheby’s：ドレーゲル印刷所旧蔵、香水・化粧品の試作と見本帳二冊](https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2023/livres-et-manuscrits-2/2-albums-presentant-plusieurs-centaines-de)
5. [MUS de Suresnes：L’œuvre du jour – 16 octobre／Feuilles d’automne](https://mus.suresnes.fr/actualites/loeuvre-du-jour-16-octobre/)
6. [フランス文化省POP／カルトナージュ・印刷博物館：白粉箱、所蔵番号2014.15.21](https://pop.culture.gouv.fr/notice/joconde/09620000070)
7. [フォルネー図書館／CCFr：Cartier-Bresson（imprimerie Draeger）、1950年頃](https://ccfr.bnf.fr/portailccfr/jsp/index_view_direct_anonymous.jsp?record=eadcgm:EADC:b1506224)
8. [Cooper Hewitt：The Scent of French Elegance／1945年ランコムのカタログ](https://www.cooperhewitt.org/2019/07/10/the-scent-of-french-elegance/)
9. [パリ装飾芸術美術館：Fashion de Léonard、所蔵番号2020.57.188](https://collections.madparis.fr/fr/document/parfum/627abaa83edd9548006c44a8)
