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title: "置き型消臭剤は、どこに置いても同じ？"
description: "接触して働く置き型消臭剤を、2立方メートルの模型で比較。におい成分の濃い場所と薄い場所では、濃度の下がり方に差がありました。生活空間に近い性能評価法を探る研究です。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/deodorizer-placement-airflow-evaluation/
date: 2026-10-12
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["食べ物・暮らしの香り"]
type: post
lang: ja
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# 置き型消臭剤は、どこに置いても同じ？

置き型消臭剤を、棚の空いている場所にひとまず置く。同じ部屋にあれば働いてくれそうですが、においの成分が消臭剤まで届くかどうかは、空気の流れや家具の配置にも関わります。

2014年に発表された研究は、対面式キッチンを模した小さな空間で、置き場所による違いを調べました。その結果は、**消臭剤の性能を知るには、製品そのものに加えて、使う空間も見る必要がある**ことを教えてくれます。

## 「袋の中で効く」を、暮らしの空間へ近づける

この研究の主な目的は、生活空間を想定した消臭剤の性能評価法を検討することでした。研究当時、著者らが取り上げた業界の試験法は、におい成分を入れた密閉状態の10リットルの袋に消臭剤を置き、その働きを確かめるものです。

袋の中の試験には、決まった条件で製品の能力を調べやすい利点があります。一方、部屋では換気が続き、家具や壁が空気の通り方を変えます。同じ部屋の中でも、におい成分の多い場所と少ない場所ができる。そうした偏りを含めて、効果を測れるだろうか、という問いです。

論文の著者は北島幸太郎さん、長谷川靖之さん、村上栄造さん。記載された所属は、前二者が小林製薬、村上さんが朝日工業社で、企業所属の研究者による技術論文です。

## 2立方メートルの模型に、においの偏りをつくる

研究チームが用意したのは、容積2立方メートルのアクリル製の試験空間です。中にはキッチンのカウンターと壁の一部を模した障害物、さらにゴミ箱を模した筒を配置しました。

筒の中から硫化水素を一定の条件で連続して供給し、換気回数を1時間あたり0.5回に設定。5か所にセンサーを置き、場所ごとの濃度を追いました。センサーは事前に、硫化水素の濃度と出力の対応を調べ、読み取った値を濃度に換算しています。

使ったのは、硫化水素が消臭剤に接触すると働く置き型の製品です。消臭成分を周囲へ拡散させる方式ではありません。この仕組みを押さえると、置き場所を変える意味が見えてきます。

比較したのは次の三条件で、それぞれ15時間にわたって測定しました。

- 消臭剤を置かない
- 硫化水素の濃度が高くなる場所に置く
- その高濃度の場所から離れた位置に置く

実際の生ゴミを置いた試験でも、人に嗅いでもらう試験でもありません。扱ったにおい成分は硫化水素一つで、測ったのは空気中の濃度です。

## 近くの濃度が下がると、離れた場所にも違いが出た

まず、消臭剤を置かない条件では、ゴミ箱を模した筒と障害物の間で硫化水素の濃度が高くなりました。別の測定点では低く、模型の中に濃度の偏りができています。

次に、その高濃度の場所に消臭剤を置くと、消臭剤のすぐ近くでは、置かない条件に比べて**濃度が約75％低下**しました。著者らが比較した約800分後の値は、およそ0.45 ppmです。離れた四つの測定点でも、濃度はおよそ半分になったと報告されています。

近くで働く製品なのに、離れた測定点の値も下がった。著者らは、消臭剤の周辺で硫化水素が処理され、ほかの場所へ広がる量も少なくなったためだと考察しています。離れた場所まで消臭成分が飛んでいった、という説明ではありません。

一方、高濃度の場所から離して置いた条件では、各測定点の濃度は、置かない場合の約90％。低下は約10％にとどまりました。同じ製品でも、この模型では置き場所によって濃度の下がり方が大きく違ったのです。

こちらの設置位置は、配置上、清浄な空気が通りやすい場所でした。著者らは、消臭剤が硫化水素と十分に接触できず、処理量が小さくなったのではないかと説明しています。これは測定結果をもとにした解釈で、空気の流れと接触量を直接測った結果とは区別して読む必要があります。

## 置き場所の話は、性能の測り方の話でもある

この研究の成果は、置き場所の違いを、複数地点の濃度変化として捉えられたことです。一つの地点だけを測れば見落とす空間の偏りや、消臭剤から離れた場所への影響も、評価に含められました。著者らは、暮らしの場面を想定した性能評価法をつくる可能性が示されたと結論づけています。

ただし、2立方メートルの模型が、実際の部屋をそのまま再現したわけではありません。論文自身も、この点を今後の課題に挙げています。部屋の大きさ、換気、障害物、におい成分や製品の仕組みが変われば、結果も変わり得ます。また、濃度の低下率は、人が感じるにおいの強さや不快感の低下率を示すものではありません。

日常への手がかりは、接触して働く消臭剤では「におい成分がそこへ届くか」という視点を持つこと。今回の結果から、どの家庭でも通用する最適な設置位置や、部屋全体で同じ低下率が得られるとまでは決められません。

## まとめ

置き型消臭剤は、この模型実験ではどこに置いても同じように働くわけではありませんでした。硫化水素の濃度が高い場所に置くと、近くの測定点だけでなく、離れた測定点でも濃度が低下しました。

そして研究の大きな狙いは、そうした空間の違いを消臭剤の評価に取り込むことでした。製品の性能と、においが運ばれる道筋。その両方を調べることが、暮らしに近い消臭効果の理解につながります。

**参考文献**

- 北島幸太郎・長谷川靖之・村上栄造（2014）「生活空間における消臭剤の性能評価法に関する研究」『におい・かおり環境学会誌』45（6）, 423–428。[DOI・論文情報](https://doi.org/10.2171/jao.45.423)／[原著全文（PDF）](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/45/6/45_423/_pdf)。
