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title: "クリームの香りで、使い心地は変わる？"
description: "同じ質感のクリームでも、香りが加わると好みは変わるのでしょうか。フランスと中国の四実験が、å— 覚と触覚のつながりを調べました。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/cream-scent-touch-wellbeing/
date: 2026-10-12
modified: 2026-10-12
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["食べ物・暮らしの香り"]
type: post
lang: ja
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# クリームの香りで、使い心地は変わる？

クリームを選ぶとき、香りは鼻で、なめらかさは肌で感じるものだと思いがちです。けれども、好きな香りが付くことで、同じクリームの手触りまで好ましく感じられることはあるのでしょうか。

Sandra Courrègesらが2021年に発表した研究は、顔用クリームの香りと質感が、使用後の心地よさや製品への評価にどう関わるかを調べました。店頭で手に試す場面と、家で顔に使う場面を模し、フランスと中国で四つの実験を行っています。

## 二つの質感と、三段階の香料量を比べる

参加したのは、日常的に高価格帯のスキンケア製品を使う女性250人です。フランスでは手に試す60人と顔に試す別の60人、中国ではそれぞれ別の65人ずつが参加しました。全員が四つの実験を経験したのではありません。

各実験では、比較的こってりしたものと、より軽いものの二つの質感を用意しました。それぞれに、花を思わせる同じ香料ブレンドを、標準量、その半量、追加なしの三段階で組み合わせています。参加者は計六条件を試しました。

重要なのは、「追加なし」のクリームも無臭ではないことです。原料そのもののにおいがあり、成分の一つにはバニラの香りがありました。香料を足すと、その原料臭も覆われたり、感じ方が変わったりします。香りがあるかないかだけを比べた実験ではありません。

研究者らは、香料を加えてもクリームの物理的な質感が変わらないことを確認しました。そのうえで、製品全体の好み、質感の好み、油っぽさ、見た目の不透明さ、使用後の心地よさを尋ねています。

## 手で試すときと、顔で使うとき

手で試す実験では、研究者が一定量を手の甲に載せ、参加者は一日に同じ質感で香料量の違う三品を評価しました。間に手洗いと休憩を挟み、別の日にはもう一方の質感を試しています。

顔で使う実験では、一日一品を六日間に分けて試しました。容器から、家で使うように自分が必要と思う量を取ります。いずれも実際の店や自宅ではなく、周囲のにおいや光などを管理した試験環境で行われました。

心地よさの聞き方も異なります。手の実験では使用後に感じる「well-being」の程度、顔の実験では「このクリームで自分に良いことをしている感じがする」という趣旨の文への同意を尋ねました。論文で解析したのは使用後の回答で、使用前から気分がどれだけ改善したか、あるいは健康状態が良くなったかを示すものではありません。

## 香りを足すと、質感の好みも変わることがある

製品全体の好みには、四つの実験すべてで香料量の効果が認められました。ただし、どの質感で、どの濃度差が効くかは同じではありません。

例えば、フランスで手に試した実験では、香料を加えないと、こってりしたクリームのほうが好まれました。半量または標準量の香料を加えると、二つの質感の好みの差が明確でなくなりました。香りの影響は、もともと好まれていた質感と、そうでない質感とで異なったのです。

質感そのものの好みも、四実験のうち三つで香料の影響を受けました。フランスの手、中国の手と顔の実験です。フランスで顔に使った実験では、軽い質感が強く好まれ、香料による質感の好みの変化は明確ではありませんでした。

香りを足しても物理的な質感は変わらなかったのに、その質感をどれくらい好きかが変わる。研究者らが、嗅覚と触覚の組み合わせの重要な例として注目したのは、この点です。

## 心地よさへの影響は、一様ではなかった

フランスで手に試した場合、使用後の心地よさは、香料が標準量でも半量でも、追加なしより高く評価されました。フランスで顔に使った場合に明確な差があったのは、標準量と追加なしの間でした。

中国の手の実験では、香料量による心地よさの明確な差はありませんでした。中国の顔の実験では、香料量と質感の組み合わせによる違いがあり、香りを足せばどちらの質感でも同じように高く評価される、という結果ではありませんでした。

香りを強くすれば、使う喜びが際限なく増すとも言えません。標準量と半量の差は多くの評価で明確ではなく、例外は中国の手の実験での製品全体の好みでした。著者らは、少ない量でも印象を変える一定の水準に達する可能性を提案していますが、香りを感じ始める濃度や最適な配合量を直接測ったわけではありません。

## 油っぽさや見た目の判断にもつながる？

質感や見た目については、「軽すぎる」と「油っぽすぎる」、「透明すぎる」と「不透明すぎる」の間で、どのあたりに感じるかも尋ねました。真ん中は「ちょうどよい」という尺度です。これは機械による油分や透明度の測定ではなく、人の判断です。

四実験とも、物理的にこってりしたクリームは、より油っぽく、不透明な側に評価されました。さらにフランスの手の実験では、香料の追加もこれらの判断に影響しました。一方、ほかの三実験では、香料による明確な変化はありませんでした。

研究者らは、普段の化粧品使用で香りと質感を一緒に経験するうちに、両者の結び付きが学ばれるのではないかと考えています。また、香りから受ける高級感が、製品全体の印象に広がった可能性も挙げています。いずれも今回、学習過程や高級感を直接検証して確かめた説明ではありません。

## 国や塗る場所だけの違いにはできない

フランスと中国の実験では、軽いほうのクリームの処方が異なり、その標準香料濃度も違いました。手と顔の実験も、塗る量、容器、試す日程、質問の文面が異なります。したがって、結果の違いをそのまま文化や皮膚の部位だけの効果とすることはできません。

参加者はパリ地域または上海に住む、高価格帯の製品を使う女性です。ブランド名は知らせていませんが、試すものが高級な顔用クリームだとは伝えていました。その期待も評価に関わった可能性があります。

研究費はChanel Parfum Beautéが社内資金から提供し、著者にはChanelの研究部門の社員が含まれています。別の著者は統計解析会社、編集会社に所属していました。

## まとめ

クリームの使い心地は、肌に触れた質感だけで決まるとは限りません。今回の四つの実験では、香りを加えることで、製品全体の好みや、条件によっては質感の好み、使用後の心地よさまで変わりました。

大切なのは、香りの評価と触感の評価を、完全に別々のものとして扱いにくいということです。どんな質感と組み合わさり、どの場面で使うかまで含めて調べることで、香りが日常の使用体験を形づくる仕組みを、よりよく理解できそうです。著者らが次に提案する、実際の家庭や店頭、別の香りや幅広い利用者での検証は、そのつながりを確かめるための一歩になります。

## 参考文献

Courrèges, S., Aboulaasri, R., Bhatara, A., & Bardel, M.-H.（2021）. Crossmodal Interactions Between Olfaction and Touch Affecting Well-Being and Perception of Cosmetic Creams. *Frontiers in Psychology*, 12, 703531. [DOI: 10.3389/fpsyg.2021.703531](https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.703531)。[原著全文](https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2021.703531/full)。© 2021 Courrèges, Aboulaasri, Bhatara and Bardel. [CC BY](https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).
