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title: "Baruti（バルチ）— 火薬と夢の香水ブランド"
description: "「これは私の夢の匂いだ。私はパーソナルで即効性のある香水を作る。欺くように遊び心があり、無意識に根ざし、感覚を困惑させ、美の万華鏡のような爆発のように——吹き飛ばしてしまえるほどの力を持つ」——スピロス・ドロソプロス。神経科学の博士号を持ち、独学で調香を習得したアムステルダム発ニッチ香水ブランドの物語。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/barutiperfumes/
date: 2026-09-05
modified: 2026-09-05
author: "Root"
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# Baruti（バルチ）— 火薬と夢の香水ブランド

> 「これは私の夢の匂いだ。私はパーソナルで即効性のある香水を作る。欺くように遊び心があり、無意識に根ざし、感覚を困惑させ、美の万華鏡のような爆発のように——吹き飛ばしてしまえるほどの力を持つ」
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> — スピロス・ドロソプロス、アムステルダム 2014

## 基本情報

**設立年：** 2015年
**創設者：** スピロス・ドロソプロス（Dr. Spyros Drosopoulos）
**拠点：** オランダ・アムステルダム
**公式サイト：** [barutiperfumes.com](https://barutiperfumes.com)

**読み方について：** 日本語では「バルチ」と表記されることが多く、NOSE SHOPをはじめ国内の正規取扱店でもこの読みが使われている。

## 創設者・ブランドの成り立ち

### オランダで生まれ、ギリシャで育ち、ドイツで博士号を取った男

スピロス・ドロソプロスの来歴は、香水業界ではきわめて異色である。オランダで生まれ、幼少期にギリシャ（アテネ）へ移住して育ち、大学進学後は夢であったオランダへ戻り心理学を学んだ。その後、博士課程のためにドイツへ渡り、「睡眠と記憶の固定化」をテーマにした神経科学の研究で博士号を**マグナ・クム・ラウデ（最優秀）**の成績で取得した。博士課程の研究テーマは、脳が短期記憶を長期記憶へと変換するプロセス——つまり眠りの中でいかに「想い出」が形成されるか——であった。

博士号取得後はアムステルダム大学でポスドク研究員（夜勤耐性と記憶の関係）および助教として勤務した。学者としてのキャリアに就きながらも、彼はずっと「水を得た魚」にはなれなかった。

両親はともに生物学者で、子どもの頃から匂いや味への敏感な好奇心があった。花の香り、下水の臭い——反発しながらも引きつけられる、そんな嗅覚への強い関心は幼少期から芽生えていた。心理学を学ぶ中で、香水が持つ「他者の知覚を変え、無意識に働きかける」という側面にも強く魅了されていった。

> 「香水に関心を持ちはじめたのは、心理的な観点からでした。香水を纏うと、他人があなたを認識する方法が変わる。服や髪型は即座に印象をつくるけれど、香りは無意識の次元で働く。それがどういうことなのか、深く興味を持ちはじめたんです」
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> — スピロス・ドロソプロス

### 2009年の秋——転機となったワークショップ

転機は2009年秋に訪れた。長年の夢を叶えるため、オランダの香料サプライヤー「ヘクセライ（Hekserij）」が開催する「自分だけの香水を作ろう」ワークショップに参加したのだ。たった一度の体験が、趣味の域を超えた「情熱」へと変貌した。

> 「ワークショップに参加して以来、単なる趣味ではなく、情熱になってしまった。大学で研究をしながら、原材料を買い始めて実験するようになった。毎年大学との契約を更新していたけれど、ある時気づいたんです——もう仕事に行きたくない、家にいて香水を作りたい、と。それで、プロの調香師になることを決めた」
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> — スピロス・ドロソプロス

### ブランド創設の前夜——試練と「名前の問題」

パブリックには詳細が公開されていないが、スピロス自身は過去のインタビューでバルチを始める前に「名前の問題」で大きな困難を経験したことを告白している。

> 「私が最も過酷だったのは、最初のブランドの名前でトラブルが起きた時です。それが私の人生で最も厳しい時期で、溺れそうになった」
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> — スピロス・ドロソプロス

この「最初のブランド」が具体的に何であったか、またその後どのように解決されたかについては、公開情報の中には詳細が確認できなかった。ただし、アムステルダムのパフォーマンスアート組織「メディアマティック（Mediamatic）」の2016年のイベント資料には彼の名が「バルティ（Bartuti）」という名称で掲載されており、ブランド名が変遷した可能性を示唆している。

### 2015年——バルチの誕生

数年の猛烈な学習と原材料の探求を経て、スピロスは2015年に自身のブランド「バルチ（BARUTI）」を正式に立ち上げた。独学（セルフタート）であることを誇りにしている彼は、既存の調香の「文法」に縛られることなく、自由な組み合わせを追求できたと語る。

> 「独学であることは、思いがけず恵まれたことでした。慣習にとらわれず、新しい素材、新しい組み合わせ、既知のテーマへの新しい解釈を常に探している。私は”目新しさを求める人”なんです」
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> — スピロス・ドロソプロス

ブランド名「バルチ」はギリシャ語で「火薬」を意味する。しかし単に「爆発的」という意味だけではなく、形容詞として使われるときには「強烈な個性を持つ」「切れ味がある」「エッジが立っている」というニュアンスも含まれている。例えばギリシャ語で素晴らしいワインや料理に「バルチだ！」と言うように、上質さと強度を同時に表す言葉でもある。

> 「バルチとは、戦争的・危険な爆発ではなく、美の爆発だ！香水は凝縮されていて、スプレーすると香りが”爆発”し、その存在を即座に感じさせる。これはニッチな香水にぴったりの言葉だと思う」
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> — スピロス・ドロソプロス

## ブランドのこだわり

### 香りづくりの哲学——「ラブタリエ」で一人が書き、手で混ぜる

バルチの全フォーミュラは、スピロス本人がアムステルダムの自身のラボ「ラブタリエ（Labtelier）」で書き、手作業でブレンドしている。外注や委託生産は行わず、ブランドの品質と個性をスピロス一人で管理する体制だ。

香りづくりの動機は多様である。ある時は素材そのものへの好奇心（チャイとヴォワイヤンスはこうして生まれた）、またある時は音楽、絵画、旅、記憶、あるいは特定の人物への想いが出発点となる。各フレグランスは「ペルソナ（人格）」を持つとスピロスは言い、着用者の個性と融け合うことを意図している。

> 「私は匂いを通して物語を語るのが好きだ。バルチの各フレグランスは、それ自身の独特な個性と物語を持つペルソナです。ライブパフォーマンスのDJやビデオアーティストのように、私は素材と創造性を使って、自分の物語を伝える香りのシーケンスを作る。どんな匂いも常に”良い”ものである必要はない——誰がそう決めたのか？」
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> — スピロス・ドロソプロス

### ジェンダーフリーという選択

バルチの全フレグランスはユニセックスである。これはマーケティング上の戦略ではなく、スピロスの確固とした哲学から来ている。

> 「匂いは個人的なものです。場面に合わせて選ぶべきもの——服やシューズやアクセサリーと同じように。名前以外にラベルを貼ることは、その個性を損ないます」
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> — スピロス・ドロソプロス

### ボトルとパッケージ——幼少期の万華鏡の記憶

バルチの視覚的な特徴は、鮮やかな万華鏡（カレイドスコープ）模様のパッケージデザインである。これはスピロスが子どもの頃、万華鏡を覗き込んで視線を釘付けにされた記憶に由来している。異なる要素の個性的な配置が生み出す美——それがバルチの香りの哲学とも重なっている。

セルロファン（透明フィルム）の廃止、リサイクル可能な素材の使用、パッケージの軽量化など、サステナビリティへの取り組みも積極的に行っている。

### 希少素材と倫理的な調達

スピロスは、ギリシャのコザニ産ローズやキオス島産マスティック（乳香樹脂）など、ギリシャの生産者から直接仕入れることを「倫理的な義務」と捉えている。

> 「できるだけギリシャの香料植物や生産者を支援したい。自分のルーツである国をサポートすることは、倫理的な責任だと思っています」
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> — スピロス・ドロソプロス

### ザ・レッド・リスト・プロジェクトとの協働

バルチが単なる香水ブランドにとどまらない理由の一つが、絶滅危惧植物の保全活動への関与である。2019年、ミニストリー・オブ・セント（Ministry of Scent）を通じて、植物保全非営利団体「ザ・レッド・リスト・プロジェクト（The Red List Project / TRLP）」の創設者・主任科学者であるDr.ペギー・フィードラーとスピロスが引き合わされた。両者はパートナーシップを結び、絶滅の危機に瀕した植物の香りを再現したルームスプレー2作を発売した。

- **パレルモ・ヴァイオレット（Palermo Violet）：** イタリアの希少種 *Viola ucriana* に捧げる作品。スピロスはシチリアのピッツータ山に科学者チームと赴き、この花を自ら体験した。
- **ポートランディア（Portlandia）：** ジャマイカの絶滅危惧種 *Portlandia platantha* を再現した作品。

これらは香水として素材を抽出するのではなく、野生採取を伴わない「香りの再現」という手法を取っており、生物多様性保全と両立する画期的なモデルとして評価されている。

## 香水ラインナップ

バルチの香水はすべてエクストレ・ド・パルファン（Extrait de Parfum）またはオー・ド・パルファン（Eau de Parfum）の高濃度な濃縮で展開されている。

### 定番コア・コレクション

| 香水名 | 主なノート・テーマ |
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| **チャイ（Chai）** | シナモン、カルダモン、クローブ、黒茶、スチームミルク、ヴァニラ——博士課程時代に愛飲したチャイラテへのオマージュ |
| **インディゴ（Indigo）** | ヒヤシンス、マスティック（キオス産）、インセンス、シダーウッド——ギリシャの記憶と夏の青空 |
| **ペルベルソ（Perverso）** | ラム酒、ロースト・ナッツ、カカオ、キャラメル・ファッジ、タバコ、アンバー——快楽主義者へ捧ぐグルマン |
| **ノウド（NOOUD）** | ウード感を人工的に再現した独自ベース——インディゴの原型から独立した作品 |
| **ベルリン・イエム・ウィンター（Berlin im Winter）** | カシス、コーヒー、プラム、ウィスキー——冬のベルリンの官能的な夜 |
| **オンダー・ダ・リンデ（Onder de Linde）** | 洋梨、ライラック、ライムフラワー（菩提樹）、ハニー、ヴァニラ——フェルメール「牛乳を注ぐ女」からインスピレーション |
| **ダマ・コウパ（Dama Koupa）** | アイリス中心の上品なフローラル——「ハートのクイーン」の意、パートナーへのオマージュとして始まった作品 |
| **ティンドラー（Tindrer）** | カットグラス、スミレ、オークモス、ヘリオトロープ——デンマークのバンド「Under Byen」の同名曲にインスパイアされた |
| **ヴォワイヤンス（Voyance）** | チューベローズ、グアイアックウッド、ヴェティヴァー、サンダルウッド、ムスク |
| **オー・マイ・ディア！（Oh My Deer!）** | シトラス、フローラル、ウッド、ムスク、アンバーの組み合わせ |

### 近年の注目作

- **モノノアワレ（物の哀れ / Mono No Aware）：** 日本の美学概念「もののあはれ」に捧げる作品。抹茶の苦みと桜の儚さ、日本産シダーウッドで構成。スピロスがサリー・マンの自伝でこの概念を初めて知り、長年抱いてきた「美しいものの無常への愛おしさ」と重なったと語っている。
- **ローラキムー！（Laurakimou!）：** スピロスの娘ローラへの愛情を香りに込めた作品。シャンパンのような弾ける感覚とストロベリー、マグノリア、サンダルウッドで構成。
- **ホット・コットン（Hot Cotton）：** 清潔感、アルデヒド、ヘリオトロープが白い緊張感を漂わせるシンプルで複雑な作品。

### ルームスプレーとアンビエントライン

バルチはパルファンに加え、アンビエント・ルームスプレーのラインも持つ。レッド・リスト・プロジェクトとのコラボ作品2作に加え、通常ラインのルームスプレーも展開している。

## ちなみに…

- **NOOUD誕生の裏話：** バルチを代表するベストセラーの一つ「ノウド（NOOUD）」は、もともと「インディゴ」のベースアコードとして開発された。しかしスピロスはそれがあまりにも気に入りすぎて、単独のフレグランスとして発売することにした。名前と黒いパッケージは、当時ニッチ香水業界に巻き起こっていた「ウード（oud）ブーム」——本物のウードを使わずにウード風の香水を出すブランドが乱立していた状況——への遊び心ある皮肉として意図されている。調香師仲間のアンディ・タウアーは「あの金額設定では成功しない。もっとあり得ない高値をつけるべきだった」と冗談めかして言ったという。
- **Financial Timesとインディゴ：** ニッチ香水の特集記事の中で、Financial Timesがバルチの「インディゴ」を「最も謎めいた魅力を持つニッチ香水」として取り上げたことがある。
- **神経科学と調香：** 「神経科学の知識が創作に役立っているか？」という問いに対するスピロスの答えは興味深い。「ラボのセットアップや分析思考には役立ったが、創造的な側面に特別な優位性はない。香りが脳の化学にどう働くかは、私も皆と同じく暗中模索だ」——学者の肩書きではなく、純粋な「香りへの愛」が原動力であることを、彼は率直に語っている。
- **世界展開：** 2026年現在、バルチは欧州・北中南米・中東・アジアを含む80以上のブティックで販売されている。

参考文献

1. Ministry of Scent – Baruti ブランド紹介ページ – https://ministryofscent.com/collections/baruti-1/baruti
2. Masters Expo – “The powerful and memorable perfumes of Baruti” – https://mastersexpo.com/en/baruti/
3. Indiescents – Baruti ブランドページ – https://indiescents.com/baruti/
4. Discover Benelux – “Baruti: Scent Explosions” – https://www.discoverbenelux.com/baruti/
5. CaFleureBon – “Best Baruti Perfumes” – https://cafleurebon.com/baruti-perfumes-oh-my-deer-berlin-im-winter-onder-de-linde-dr-spyros-drosopoulos-plus-3-you-should-be-wearing-right-now/
6. Scent Trunk – Q&A with Spyros Drosopoulos – https://scenttrunk.com/blogs/news/q-a-with-spyros-drosopoulos
7. Institute for Art and Olfaction（IAO）– “Meet a Nose: Spyros Drosopoulos, Baruti” – https://artandolfaction.com/events/meet-a-nose-spyros-drosopoulos-baruti-online/
8. Ministry of Scent – “Baruti & The Red List Project” インタビュー記事 – https://ministryofscent.com/blogs/news/baruti-the-red-list-project-create-fragrances-to-fund-conservation-of-rare-botanicals
9. Kiss Laurenne – “Meet Mr. BARUTI” – https://kisslaurenne.com/meet-mr-baruti/
10. Smell Stories – “Meeting Dr. S. Drosopoulos, perfumer and founder of BARUTI” – https://www.smellstories.be/en/blogs/blog/meeting-dr-s-drosopoulos-perfumer-and-founder-of-b/
11. Smell Stories – Mono No Aware 商品ページ – https://www.smellstories.be/en/baruti-mono-no-aware-eau-de-parfum.html
12. Fragrance Vault – Baruti Onder de Linde 商品ページ – https://fragrancevault.net/products/baruti-onder-de-linde-extrait-de-parfum
13. Beautinow – Baruti ブランド解説 – https://beautinow.com/collections/baruti-perfumes/
14. Excite News / NOSE SHOP プレスリリース – 日本上陸報道 2023年10月 – https://www.excite.co.jp/news/article/Iphone_girl_619988/
15. Mediamatic – “Alternative Perfumery”（2016年イベント資料）– https://www.mediamatic.net/en/page/238677/alternative-perfumery
16. Perfume Lounge – Spyros Drosopoulos 調香師紹介ページ – https://www.perfumelounge.eu/perfumers/spyros-drosopoulos
17. Reddit r/FragranceStories – “Baruti: A Thorough Review of 11 Scents” – https://www.reddit.com/r/FragranceStories/comments/1leof77/baruti_a_thorough_review_of_11_scents/
