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title: "アスパラガスを食べた後のにおい。「出ない」と「嗅げない」は別？"
description: "食後の特徴的な尿臭を、出す側とå— ぐ側に分けて調べた研究。二択のにおい判別と遺伝子解析で見えた個人差を紹介します。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/asparagus-urine-odor-production-perception/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["食べ物・暮らしの香り"]
type: post
lang: ja
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# アスパラガスを食べた後のにおい。「出ない」と「嗅げない」は別？

アスパラガスを食べた後、尿のにおいが変わると気付く人もいれば、まったく心当たりがない人もいます。この違いは、特徴的なにおいを出す側の違いなのでしょうか。それとも、嗅ぎ取る側の違いなのでしょうか。

両方を分けて調べた研究では、**においが検出されにくい試料を出す人と、他人の試料の特徴臭を判別しにくい人の両方**が見つかりました。さらに、嗅覚受容体の遺伝子が集まる領域の変異は、今回の解析では「出す能力」より「嗅ぎ取る能力」と関連していました。

## 自分の尿だけを嗅いでも、理由は分からない

研究が出発点にしたのは、従来の調査の問い方でした。「アスパラガスを食べた後、変わったにおいに気付いたことがあるか」と尋ねても、気付かない人が特徴臭を出していないのか、出していても嗅げないのかは区別できません。

また、食後の尿を水と比べる方法では、アスパラガス特有のにおいではなく、普通の尿のにおいを手掛かりに答える可能性もあります。

そこで研究チームは、アスパラガスを食べる前後や、パンを食べた後の尿を比較し、それを本人とほかの参加者が嗅ぐ方法を採用しました。特徴臭を出す個人差と、検出する個人差を、同じ研究で切り分けることが主な目的です。

## アスパラガスの日と、パンの日を設けた

成人38人が参加し、全員がすべての段階を終えたわけではないため、尿試料の提供者は37人、におい評価の参加者は31人となりました。研究は約4か月離れた2回の実験に分かれ、参加者は重複していません。

採尿は、少なくとも3日離した2日間に行いました。一方の日には、生の重量で125gのアスパラガスを油と塩で調理したものを食べ、もう一方の日には、同じ量の油と塩を加えた72gのパンを食べました。水を飲む量もそろえ、食べる前と2時間後に採尿しています。アスパラガスとパンの日の順序は釣り合わせました。

試料は凍結保存し、評価時に解凍して室温に戻しました。瓶の側面などを覆って見た目から判断しにくくし、香りのある化粧品などが混ざらないよう、参加者と実験者は綿の手袋を着用しました。

## 二つの瓶から、特徴臭のあるほうを選ぶ

評価者は、まずある人のアスパラガス摂取後の試料を、見本として嗅ぎます。その後、同じ人の試料が入った二つの瓶を比較しました。

組み合わせは、アスパラガスの後とパンの後、またはアスパラガスの前と後です。「アスパラガスの後はどちらか」を、分からなくてもどちらか選ぶ二択にしました。1人分の尿について、各組み合わせを3回ずつ、計6回答を集めています。

ある提供者の試料を、ほかの人たちがどれほど正しく選べるかを見れば、「特徴臭の検出されやすさ」を評価できます。逆に、ある評価者が多くの人の試料をどれほど正しく選べるかを見れば、「特徴臭を嗅ぎ取る力」を評価できます。二択で偶然当たる50％と比べた点も重要です。

## 試料を出す側にも、嗅ぐ側にも個人差

37人の提供者のうち3人では、アスパラガス摂取後の試料が、偶然を上回って判別される水準に達しませんでした。残りの人の試料では特徴臭を判別できましたが、その判別のしやすさには幅がありました。

ここで「においを作れない」と分類された人も、原因となる物質が完全にゼロだったと確認されたわけではありません。この研究は、特定の分子の量を測る化学分析ではなく、決められた摂取量・2時間後の試料・嗅ぐ手順で、においが十分に検出できるかを調べたものです。

一方、におい評価を行った31人のうち2人は、ほかの人の試料に含まれるアスパラガス特有のにおいを、偶然よりよく判別できませんでした。ほかの評価者の中にも、比較的得意な人と苦手な人がいました。

特徴臭の出しやすさと、嗅ぎ取りやすさの間には、有意な相関は見られませんでした。年齢や性別との明確な関連もありませんでした。少なくとも、どちらか一方だけで参加者の違いを説明する結果ではなかったのです。

## におい全般が分からないのかも確かめた

アスパラガスの特徴臭を判別しにくい人が、単に嗅覚全般の弱い人なのかを確かめるため、バラ様のにおいを持つフェニルエチルアルコールの検知閾値を測りました。

参加者全員の結果は、研究で用いた正常範囲の基準に収まり、この検査の感度とアスパラガス臭の判別成績にも関連は認められませんでした。特定のにおいに対する感度の低さという説明を支持する結果です。

さらに後半の実験では、普通の尿と、バジルの香りを加えた尿を比べる課題も実施しました。参加者はほぼ正確に判別でき、アスパラガス臭が分からない理由を「二択課題の説明が理解できなかったから」と考える可能性を小さくしています。

## 遺伝的な関連は、嗅ぎ取る側に見られた

頬の細胞からDNAを採取し、先行研究で報告されていたrs4481887という1か所の遺伝的変異も調べました。この場所は、嗅覚受容体遺伝子が約50個集まる領域にあり、OR2M7とOR14C36という遺伝子の間に位置します。

遺伝的な関連の解析は、先行研究との対応を考えて、白人と自己申告した参加者の部分集団で行いました。結果は、**A型の塩基を持つ人のほうが特徴臭をよく判別する**という関連でした。一方、同じ変異と、試料から特徴臭が検出される程度との関連は有意ではありませんでした。

この領域では近くの変異が一緒に受け継がれやすいため、この1か所との関連だけで、OR2M7が直接そのにおいを受け取る受容体だとは決められません。研究は、従来の自己申告だけの関連を、出す側と嗅ぐ側に分け、後者との結び付きを示した点に意味があります。

## 原因物質と時間の違いは、残る課題

原著では、食後の特徴臭を作る物質について、過去の研究が複数の硫黄化合物などを報告していることを整理しています。しかし、この研究自体で原因分子を一つに確定したわけではありません。試料に含まれる量や、揮発しやすさの違いも、判別のしやすさに関わる可能性があります。

また、今回は2時間後だけの採尿です。においが出始める時刻や最も強くなる時刻に個人差があれば、別の時刻では結果が変わり得ます。普段どれくらいアスパラガスを食べているかも調べておらず、においへの経験と遺伝的な感度の関係は今後の課題です。

## まとめ

アスパラガスを食べた後の特徴臭には、試料から検出される程度にも、人が嗅ぎ取る力にも個人差がありました。今回の条件では、37人中3人の試料は十分に判別されず、31人中2人はほかの人の特徴臭を十分に判別できませんでした。

嗅覚受容体の遺伝子群付近にある変異は、特徴臭の出しやすさよりも、嗅ぎ取りやすさと関連していました。「においに気付かない」という同じ体験でも、においを出す側と受け取る側を分けて考えると、その理由がより具体的に見えてきます。

研究資金は、Monell Chemical Senses Centerの機関内資源によるものと原著に記載されています。

**参考文献**

Pelchat ML, Bykowski C, Duke FF, Reed DR. (2011). Excretion and Perception of a Characteristic Odor in Urine after Asparagus Ingestion: a Psychophysical and Genetic Study. *Chemical Senses*, 36, 9–17. [原著論文](https://doi.org/10.1093/chemse/bjq081)。
