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title: "食べ物の匂いで、実際に食べる量まで増える？"
description: "32人が4種類の食品の匂いと無臭を経験した研究。チョコレートの匂いで増えた食事量と、食欲・唾液では異なった結果を読み解きます。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/ambient-food-odors-intake/
date: 2026-10-13
modified: 2026-10-13
author: "Root"
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categories: ["香りの科学"]
tags: ["食べ物・暮らしの香り"]
type: post
lang: ja
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# 食べ物の匂いで、実際に食べる量まで増える？

チョコレートの香りがすると、甘いものを食べたくなる。では、食べたい気分だけでなく、実際に食べる量まで変わるのでしょうか。

2017年の研究は、部屋に漂う4種類の食べ物の匂いを使い、食欲の自己評価、唾液、食事量を同じ実験で調べました。チョコレートの匂いがあると、無臭のときより試験食を多く食べました。ただし、「食べたい」という回答と、食べた量の変化は、まったく同じ形にはなりませんでした。

## 「食べたい」と「食べた」を一緒に調べる

研究の狙いは、食べ物の匂いが食行動と体の準備反応をどう変えるかを調べることです。とくに、匂いから連想する食品のエネルギー密度と、甘い食べ物か、塩味のある食べ物かという分類に注目しました。

たとえば、チョコレートと牛肉は高エネルギー側、メロンとキュウリは低エネルギー側です。一方、チョコレートとメロンは甘味側、牛肉とキュウリは塩味側に分かれます。この組合せなら、チョコレート風味の試験食を多く食べる理由が、甘い香りとの一致なのか、エネルギーの多い食品を連想するためなのかを検討できます。

「高エネルギーの匂い」とは、匂いを吸うことで栄養を取り込むという意味ではありません。匂いが知らせる食品の特徴を指しています。

## 32人が、5種類の部屋で同じ食事をとった

参加したのは、嗅覚が正常で、標準的なBMIの範囲にあり、食事を強く制限する傾向のない女性32人です。平均年齢は約21歳。使う匂いや試験食を嫌いな人も、事前の選考で除いています。

各参加者は別々の日に5回来場し、チョコレート、牛肉、メロン、キュウリの匂いと、無臭の条件をすべて経験しました。順序は無作為化されましたが、条件の並び方は完全には均等になっていません。毎回ほぼ同じ時間帯に参加し、事前3時間は食事を控えました。

香りは部屋の装置から放散させ、感じ取れるものの強すぎない程度に調整しました。これは本試験とは別の80人で確かめています。参加者には、匂いの影響が研究の中心だとは知らせませんでした。

まず無臭の部屋で食欲を答え、舌の下に綿を1分間置いて唾液を採りました。その後、試験用の部屋に入り、1、8、15分後に15食品をどれくらい食べたいかを回答。3分後と10分後には再び唾液を採取しました。

約30分後に出されたのは、米、牛乳、砂糖、ココアなどで作る甘いチョコレートライスです。600gを用意し、心地よく満腹になるまで自由に食べてもらいました。毎回同じ試験食なので、比べているのは料理の違いではなく、周囲の匂いの違いです。

## チョコレートの匂いでは、約39g多く食べた

チョコレートの匂いのときの平均摂取量は約246g、無臭では約207gでした。差は約39gで、統計的にも有意でした。メロンの匂いのときの約194gに比べても多くなりました。

牛肉の匂いでは約242gでしたが、無臭との差は有意には達しませんでした。一方、メロンの匂いとの比較では有意差がありました。「チョコレートも牛肉も、無臭より確実に増えた」と一括りにはできない結果です。

そこで、チョコレートと牛肉を高エネルギー食品の匂いとしてまとめて比べると、摂取量は約244g。メロンとキュウリをまとめた約207g、無臭の約207gのいずれよりも多くなりました。ところが、甘味側と塩味側に分けた比較では、有意な摂取量の差はありませんでした。

この実験では、試験食と「甘さ」が一致することより、エネルギーの多い食品を連想させることが、食べる量に結びついた可能性があります。研究者は、食経験を通して学んだ匂いと栄養の結びつきを、その説明の一つに挙げています。

## 食欲と唾液には、別の結果が出た

食欲の回答では、4種類すべての匂いの条件で、無臭より全体的に高い値になりました。しかし、「チョコレートの匂いならチョコレートやケーキだけを食べたくなる」といった、匂いに対応する食品群への特異的な食欲は確認されませんでした。

唾液の最初の解析では、チョコレートと牛肉の匂いの条件で無臭より多くなりました。高エネルギー食品の匂いをまとめた比較でも、低エネルギー側や無臭より多い結果でした。甘味側は無臭より多かったものの、甘味側と塩味側の直接比較には有意差がありませんでした。

ただし、唾液には実験への慣れも関わっていそうです。初回の来場時は、後の回より唾液が多く、食べる量は少なくなっていました。来場順を考慮して解析し直すと、食事量と食欲に対する匂いの効果は残りましたが、唾液の匂い条件による差は有意水準に届きませんでした。

また、唾液と食欲の条件別平均には、匂いを浴びる前の測定値も含まれています。匂いを嗅いだ直後に、全員の唾液が一定量増えたという読み方はできません。実際、唾液量は測定を重ねるにつれて減っていました。

## 食事の周りの香りを、どう考えるか

この研究の面白さは、食欲の自己申告だけでは見えない食事量の違いを、環境の匂いから捉えた点にあります。4種類すべてで食欲は高くなっても、食べた量の違いは同じではありませんでした。気分、体の反応、行動をそれぞれ測る意味がここにあります。

一方、試験食は甘いチョコレートライス1種類です。チョコレートの匂い自体も、ほかの匂いより好まれていました。若い女性を中心にした、匂いや料理を嫌わない人の結果なので、好き嫌いのある食事や、さまざまな年代にそのまま当てはめることはできません。

研究者は、将来、香りを使って望ましい食事へ導ける可能性にも触れています。そのためには、低エネルギーの料理でも同じ対応関係が成り立つか、長く続くかなどを調べる必要があります。今回の結果は、匂いによる体重管理の方法を確立したものではなく、食卓の外から来る感覚の手がかりを考える材料です。

## まとめ

部屋に漂うチョコレートの匂いは、この実験では無臭よりチョコレートライスの摂取量を増やしました。高エネルギー食品の匂いをまとめた比較にも差がありましたが、甘味・塩味の分類では差がありませんでした。

食欲は4種類の匂いで広く高まる一方、特定の食品への食欲は確認されず、唾液の結果は来場順を考慮すると弱まりました。香りと食事の関係は、「おいしそうと感じる」「口が潤う」「実際に食べる」を分けて見ると、より具体的に理解できます。

研究はオランダ科学研究機構（NWO）の助成を受け、香料はIFFが提供しました。著者は利益相反なしと申告しています。

**参考文献**

Proserpio C, de Graaf C, Laureati M, Pagliarini E, Boesveldt S. (2017). Impact of ambient odors on food intake, saliva production and appetite ratings. *Physiology & Behavior*. [原著論文](https://doi.org/10.1016/j.physbeh.2017.02.042)／[著者受理稿](https://air.unimi.it/retrieve/handle/2434/487946/1117614/proserpio%20et%20al.pdf)
