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title: "Alexander McQueen（アレキサンダー マックイーン）— 仕立てと自然からたどるブランドと香水の歴史"
description: "サヴィル・ロウで学んだ仕立てからブランド創設、キングダムとマイクイーン、サラ・バートン期の香水へ。人物の歩みと、香り・器・協働に込めた制作判断をたどる。"
url: https://lechercheurdeparfum.com/alexander-mcqueen/
date: 2026-11-01
modified: 2026-11-02
author: "Root"
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categories: ["ブランド・創業者"]
type: post
lang: ja
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# Alexander McQueen（アレキサンダー マックイーン）— 仕立てと自然からたどるブランドと香水の歴史

> 私の仕事は、いつも何らかの形で自然に導かれている。
> リー・アレキサンダー・マックイーン

赤いガラスを金属で包んだ心臓のようなボトルから、金色の羽根をまとった黒いフラコンへ。Alexander McQueen（アレキサンダー マックイーン）の香水には、身体を包む服と同じように、素材と形で物語を伝えようとする仕事がある。その背景にいるのは、ロンドンの仕立て職人からデザイナーになった創業者と、長年の協働を経てブランドを引き継いだサラ・バートン、そして香りを組み立てた作り手たちである。

## 基本情報

- 設立年：1992年
- 創設者：Lee Alexander McQueen（リー・アレキサンダー・マックイーン、1969–2010）
- 誕生の地：イギリス・ロンドン
- 香水の出発点：2003年のKingdom（キングダム）
- 公式サイト：[Alexander McQueen](https://www.alexandermcqueen.com/)

## 創設者とブランドの成り立ち

### ロンドン東部からサヴィル・ロウの仕立てへ

1969年にロンドンで生まれたマックイーンは、東部のストラトフォードで育った。父はタクシー運転手。16歳で学校を離れると、ニューアム・カレッジで仕立てを学び、叔父のパブでも働いた。やがて注文服の街サヴィル・ロウに入り、アンダーソン＆シェパード、続いてギーブス＆ホークスで経験を積む。布を素早く正確に裁ち、身体に沿う形へ組み立てる技術が、創作の土台になった。

> 私のすることはすべて、仕立てに基づいている。
> リー・アレキサンダー・マックイーン

その後は舞台衣装の仕事を経て、ロンドンで活動するデザイナー、コージ・タツノのもとへ。さらにミラノでロメオ・ジリのアシスタントを務めた。注文服、舞台、デザイナーの制作現場を渡り歩いた後に、学校でデザインを学び直すことになる。

### 教職への応募から、1992年のブランド創設へ

ロンドンへ戻ったマックイーンは、セントラル・セント・マーチンズでパターン裁断を教える仕事に応募した。ところが勧められたのは、修士課程の学生になることだった。1992年の卒業制作は「Jack the Ripper Stalks His Victims」。切り裂きジャックを題材に、ヴィクトリア朝の服の形や、衣服の裏地に縫い込んだ自分の髪を通して、歴史を身体に近いものとして扱った。

ファッション・エディターのイザベラ・ブロウが、その卒業コレクションを一式購入する。同年、自分の名を掲げたブランドを創設した。創業時には十分な資金がなく、ショーの制作や音楽を無償で引き受ける仲間に支えられた。マックイーンは後に、当時は音楽もファッションもアートも、自力で実現できないからこそ協働が必要だったと振り返っている。

### ジバンシィでの経験と、自分の名でつくる仕事

1996年から2001年までは、自分のブランドと並行してジバンシィのデザイナーを務めた。そこで学んだのは、サヴィル・ロウで身につけた厳密な仕立てとは違う、軽さや柔らかさだった。クチュールのアトリエで培った技法が、裁断と構成を実験する幅を広げていく。

一方、ジバンシィでは広告やマーケティングへの裁量が限られ、服をつくる仕事と、それをどう見せるかが分かれていた。自分の構想へ集中したい彼にとって、この分業は難しかった。2000年12月にグッチ・グループが自身の会社の過半数株式を取得すると、ブランドを事業として育てる体制も整い始める。マックイーンは、ショーの刺激だけでなく、人が実際に着る服を届けることにも目を向けた。

### 2003年のキングダムと、2005年のマイクイーン

香水への最初の展開は、YSL Beautéと組んだキングダムである。2003年春に発売され、[ジャック・キャヴァリエ](https://lechercheurdeparfum.com/jacques-cavallier-belletrud/)が調香を担当した。クミンやローズ、ミルラを組み合わせた香りと、ルビー色のガラスを金属で覆ったボトル。香りも器も、甘美さだけでは収まらないブランドの表情を伝えた。

2005年9月にはMyQueen（マイクイーン）が続く。スミレを軸にした香りと、アール・ヌーヴォーに着想を得た紫色の曲線的な容器を採用した。最初の作品を別の色で繰り返すのではなく、香りと造形の両方で、もう一つの女性像へ展開したのである。

### サラ・バートンの継承と、2016年の香水再始動

マックイーンは2010年に亡くなった。14年以上にわたって彼と働いたサラ・バートンが、同年5月にクリエイティブ・ディレクターへ就任する。バートンがその役割を担ったのは2023年まで。香水の次の大きな節目は、彼女の指揮下で訪れた。

2013年にはP&G Prestigeとの香水ライセンス契約が発表され、新しい香りの開発へ動き出した。2016年3月、McQueen Parfum（マックイーン パルファム）が登場する。P&G Prestigeが開発・流通を担い、三年をかけた制作ではキュー・ガーデンズの植物資料も調べた。これはバートンにとって初めてのブランド香水であり、キングダムに始まる香水史の新しい章である。同年にはオードパルファムも加わった。

2018年には八つの香りによるMcQueen Collectionへと広がる。コティとの香水事業のもと、複数の調香師が、花や木、色からそれぞれ異なる作品をつくった。

## ブランドのこだわり

### キングダムの心臓形ボトルと、感情を託す包装

キングダムの器をマックイーンとともに考えたのは、デザイナーのパトリック・ヴェイエである。赤いガラスとステンレスの半殻を合わせ、心臓を思わせる形にした。外箱には白い紙と赤い封印を用い、詩人ジョリー・グレアムの詩の一節も添えられた。恋文を開くような包装が、香水を個人的な感情に結びつける。

> 私たちは、深く生き、深く愛する覚悟を持たなければならない。
> リー・アレキサンダー・マックイーン

彼が器と詩に託したのは、傷つく可能性があっても心を開くという考えだった。心臓の形は、奇抜な装飾だけで完結するものではなかった。

### マイクイーンの四つの香りの段階

マイクイーンでは、[アン・フリッポ](https://lechercheurdeparfum.com/anne-flipo/)とドミニク・ロピオンが、通常の三段階ではなく四つの香りの段階を構想した。スミレと甘いアーモンドから、オレンジの花やヘリオトロープへ進み、木の要素を経て、アイリスとバニラで結ぶ。

紫色のボトルは、水晶玉や宝飾の卵を思わせる、お守りのような器として考えられた。複数の香りの段階を、曲線的な造形に収めた作品である。

### 夜の花の強さと、長く手元に置くボトル

マックイーン パルファムでバートンが見つめたのは、繊細な姿と強い香りを併せ持つ花だった。ジャスミン、チュベローズ、イランイランを中心に、夜の花という物語を組み立てた。闇のなかに美しさを見いだすことは、彼女にとってマックイーンの美意識につながっていた。

> 時代を超えることが、私にはとても重要だった。
> サラ・バートン

容器のためにはV&Aの資料を調べ、以前から棚にあったかのように、ほかの瓶と並んで存在する姿を求めた。重い黒いガラス、質感のあるキャップ、金色の羽根。バートン自身が手がけたその形は、香りを使い終わるまでの間も、手元に置く物として考えられていた。

### 花と色の選択、刺繍から考える香りの構成

マックイーン コレクションでは、香りのアーティスティック・ディレクター、ピエール・オーラスがバートンと調香師をつないだ。調香師には花と色を選ぶ自由が与えられ、共通のボトルを八つの色で展開した。

ドミティーユ・ミシャロン・ベルティエのSacred Osmanthusでは、アプリコットを思わせるキンモクセイに、ラプサンスーチョン茶の煙の印象を重ねる。一方、カロリーヌ・デュムールのVetiver Mossは、エメラルドグリーンと、衣服の刺繍が出発点になった。

> これをつくったとき、私はマックイーンの刺繍を思い浮かべていた。
> カロリーヌ・デュムール

デュムールは、ベチバーの根がパチョリとともに香りの構成を織り進むように考えた。花の名や色を付けるだけでなく、服づくりの手仕事を、素材を組み合わせる発想へ移している。ここに、ファッションのブランドが香水をつくる具体的な接点が見える。

## 参考文献

1. [index — Alexander McQueen in conversation with Björk（2003）：自然と創業時の協働](https://www.indexmagazine.com/interviews-alexander-mcqueen)
2. [Alexander McQueen — About the House：創設と仕立ての伝統](https://www.alexandermcqueen.com/en-jp/stories/about-the-house)
3. [University of the Arts London — Alexander McQueen：生年、職歴、卒業制作、香水](https://collections.arts.ac.uk/people/9294/alexander-mcqueen)
4. [London Museum — Alexander McQueen: London’s fashion groundbreaker：成育、修業、学校への応募と卒業制作](https://www.londonmuseum.org.uk/collections/london-stories/alexander-mcqueen-londons-fashion-groundbreaker/)
5. [i-D — The New Kingdom（2002、2015年再掲）：父の仕事、ジバンシィと自身のブランド](https://i-d.co/article/an-interview-with-alexander-mcqueen-from-the-graduate-issue-2002/)
6. [V&A — Alexander McQueen: an introduction：仕立てについての発言とクチュールの学び](https://www.vam.ac.uk/articles/alexander-mcqueen-an-introduction)
7. [Gucci Group — 2003年6月提出Form 6-K：キングダムの発売](https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1001576/000104746903021715/a2113170z6-k.htm)
8. [FashionUnited — Alexander McQueen launches first perfume: Kingdom（2003）：調香担当](https://fashionunited.uk/news/fashion/alexander-mcqueen-launches-first-perfume-kingdom/2003011738281)
9. [The Moodie Davitt Report — Alexander McQueen launches first fragrance（2003）：キングダムの香り、器、包装と本人の言葉](https://moodiedavittreport.com/fragrances-alexander-mcqueen-launches-first-fragrance/)
10. [PPR — Reference Document 2005：マイクイーンの発売と容器](https://www.kering.com/api/download-file/?path=2005_Reference_Document_b6397265cd.pdf)
11. [Alexander McQueen／Kering — サラ・バートンとの協働終了の発表（2023）：在任期間](https://www.kering.com/api/download-file/?path=Press_release_AMQ_and_Sarah_Burton_announce_the_end_of_their_collaboration_11_09_23_beda1ae20c.pdf)
12. [Global Cosmetic Industry — Alexander McQueen Enters the Fine Fragrance Business with P&G（2013）：ライセンス契約](https://www.gcimagazine.com/brands-products/fragrance-home/news/21852614/alexander-mcqueen-enters-the-fine-fragrance-business-with-pg)
13. [Cosmetics Business — Alexander McQueen expands into fragrance（2016）：P&G Prestigeと香水の再始動](https://cosmeticsbusiness.com/alexander-mcqueen-expands-into-fragrance-115957)
14. [Vogue — How the House of Alexander McQueen Distilled Its Dark Beauty Into a New Breakout Perfume（2016）：三年の開発、植物資料とバートンの容器デザイン](https://www.vogue.com/article/alexander-mcqueen-for-her-perfume-parfum-best-fall-fragrance)
15. [Dazed — Your first look at Alexander McQueen’s new fragrance ad（2016）：3月の発売](https://www.dazeddigital.com/fashion/article/30099/1/your-first-look-alexander-mcqueen-s-new-fragrance-campaign)
16. [Kering — 2016 Annual Report：パルファムとオードパルファム](https://www.kering.com/api/download-file/?path=2016_Annual_Report_e8ea205f68.pdf)
17. [Kering — 2018 Financial Document：コティとの香水事業とコレクション](https://www.kering.com/api/download-file/?path=2018_Financial_Document_d86d5c5f91.pdf)
18. [The Moodie Davitt Report — Yves Saint Laurent unveils new designer fragrances（2005）：マイクイーンの構成と造形](https://moodiedavittreport.com/yves-saint-laurent-unveils-new-designer-fragrances-111005/)
19. [Now Smell This — Alexander McQueen MyQueen（2005）：調香師と四つの香りの段階](https://nstperfume.com/2005/06/23/alexander-mcqueen-myqueen-christian-dior-jadore-adoration-en-or-new-fragrances/)
20. [British Vogue — McQueen’s Nose（2016）：夜の花と時代を超える容器についてのバートンの発言](https://www.vogue.co.uk/article/alexander-mcqueen-perfume-review)
21. [Sandra’s Closet — McQueen’s Beyond-Amazing New Fragrance（2016）：ブランド提供写真、黒いパルファム瓶の仕様](https://www.sandrascloset.com/mcqueens-beyond-amazing-new-fragrance/)
22. [10 Magazine — Breathe in the new Alexander McQueen fragrances（2018）：八つの香りとボトルの色](https://10magazine.com/breathe-in-the-new-alexander-mcqueen-fragrances/)
23. [The Perfume Society — Alexander McQueen in bloom on Bond Street：ピエール・オーラスと調香師の制作談](https://perfumesociety.org/alexander-mcqueen-in-bloom-on-bond-street/)
